岡山駅からバスに揺られること約30分。

バスを降りて少し歩くと、いくつかの大きなビニールハウスが見える。
そこでは、3種類のイチゴを育てている。
ここが、「おおもり農園」であり「杜の家」である。

 

私たち、ノートルダム清心女子大学人間生活学科社会福祉士課程3年の景山と北村は、ここ「杜の家」にインタビューに訪れ、理事長の大森さんに話を聞いた。

2002年に農園を開設、その後「障害者を受け入れてほしい」との要望があった。
障害者が身近にいたこと、学生時代の炊き出し経験から、「なにかしたい!けどやり方がわからない」というもやもやがスッキリしたという。

そこから約1年という速さで法人を立ち上げ、2011年に就労継続支援A型事業所となった。
イチゴや葉野菜の栽培と出荷までの一連の作業を行っている。

 

「杜の家」では、身体・知的・精神障害者の受入れを行っており、8割は精神障害者である。
認知が苦手で言葉の外にある意味が理解できない人、まじめに頑張りすぎるあまり疲れてしまった人、幻聴・幻覚があり見えない敵と戦っている人など、それぞれに不安がある。

そんな人たちにとって大事なことは、仕事をすることで安心してもらうこと。そのことによって自己肯定感を高めてもらうことだという。
だから、大森さんをはじめ職員は、働いている人がフラッシュバックしたとき、不安になったとき、「ちゃんと仕事できているよ、大丈夫」とやさしく声をかけるのだ。

 

より早期の支援~放課後デイサービス開設~

就労支援を行っていくなかで、「精神障害者のなかには『家族とうまくいっていない』『発達障害があり、うまくいかなかった』『小中と不登校のまま、ズルズルと福祉に関わるようになった』という人が多いのではないか?それなら、より早期の支援が必要なのではないか?」と考えるようになった。

親の会や専門家などと話し合いを重ね、昨年5月放課後等デイサービスを開設。

地域に根ざしたものにしようと、公民館や小学校のイベントに参加し、学校にはいけなくなっても友だちとのつながりは消えないように、勉強が苦手でも学校に行く意味はなくさないようにサポートしている。

発達障害の子どもたちは、福祉手帳を発行されるわけではなく大人になったら自分たちの力で生きていかなくてはいけない。だからこそ、人とのつながりを絶つわけにはいかないのだ。


"仲良くなれば、困ったときに声をかけられる。”

これは、子どもの発達障害や不登校で悩むお母さんにもあてはまる。子どものことで悩むお母さんにほかのお母さんが経験談から相談に乗れる関係をつくる仲介をしている。

 

大森さんが、「勉強が嫌いでも学校に友達がいれば孤立しない」と言っていた。

この言葉は私たち自身の経験とも重なるところがあり、すごく共感した。
教室まで行くことができなくても、友達がいることで保健室や部活には参加をすることができていたのだ。友達がいたから不登校になるということはなかったように思う。
また、大学では自分の興味のあることを学べる場であることを、勉強ができずに悩んでいる高校生たちに知ってもらえる社会になればよいと考える。

大学側も、そのような高校生の"光”になれるよう、開いた場所になることが望ましいだろう。

 

多岐にわたり活動されている大森さんが、私たちに最後にこう言った。

『自分に何ができるかを考えたら、できることはたくさんある。誰でも立ち止まっている人のみちしるべになれる。ただ、話をするだけでも良い、自信をもっていろいろ手伝ってほしい』

 

ノートルダム清心女子大学人間生活学部人間生活学科

社会福祉士課程3年 景山静香 北村綾美