里山資本主義で話題となっている真庭市

今回、真庭観光連盟が実施するバイオマスツアーにより、真庭市の里山資本主義を学ぶと共に、CSRと結びつく森づくりとの活動事例についてお話しを伺い、企業・NPO双方の価値をあげるための取り組み手法を学びました。

 

真庭市は、これまで未利用となっていた林地残材を含む「未利用バイオマスの木材資源」を活用して、エネルギーシフトを一部行っています。それにより、市外に流出していたエネルギー代が市内で循環する仕組みが出来上がっています。同時に未利用バイオマスを集積基地に持ち込んだ市民にもお金が入る仕組みが出来ています。

昨年4月からは、新たにバイオマス発電所が稼働し、バイオマス集積基地の規模も倍以上となっており、売電により、新たな雇用と収入が確保されています。また、バイオマスツアーと言う真庭市独自の産業観光により、見学に来られる多くの人々が発電のためのボイラー設備の大きさに驚かされます。

 

真庭市役所では、木材のペレット、チップを使った冷暖房でCO2削減クレジットが発生し、売買で連携した企業とは、その資金が元になって、真庭市内中和地区で、市民と企業の協働の森づくりが5年前から始まっています。

クレジットの購入者である株式会社トンボ(トンボ学生服)と一般社団法人真庭観光連盟は、それぞれ、購入したクレジットを使いカーボンオフセットを実施しています。

 株式会社トンボでは、体操服生産の主力である美咲工場と子会社ハートヒルズの2工場から排出されるCO2を相殺(オフセット)し、CO2ゼロの体操服を製造しています。一方、真庭観光連盟は、自ら実施するバイオマスツアーや森づくりの際に運行したバスから発生するCO2を相殺し、CO2ゼロのツアーを実施しています。

山がすぐそばにある真庭市の立地だからこそ、チップとペレットの両方をエネルギーとして活用できるとの事でバイオマス活用の難しさを感じます。

※カーボンオフセットとは、耳慣れない言葉ですが、自ら排出したCO2を、責任をもって自主的に費用を出して相殺する事です。その購入の元はCO2を削減した国が認めた事業です。

 

両者と真庭市民が、中和・津黒地区(蒜山下和)で取り組む「真庭・トンボの森」は、整備により、生き物の種数が大幅に回復し、地球環境改善への貢献をするとともに、森の機能を学んだり、森づくりの体験が出来る教育の場としても活用されています。

バイオマスツアーでは、森づくりの参加者が森に有った木を使って創った、ひのき舞台やツリーデッキなどを見学できます。

 

ツアーの昼食は、トンボの森のすぐそばにある津黒高原荘で名物「みそだれ焼きそば」(蒜山やきそばと同じですが、すいとん会という会に同施設が入会していないため、商標ひるぜんやきそばと名乗ることが出来ません)と森の整備で生まれた「クロモジ茶」が提供されます。同施設では、温泉が湧いていますが、冷泉のために、お湯を沸かす必要があります。昨年からは地元の薪を使ったバイオマスボイラーで温めており、この中和地区でも小さな里山資本主義が行われています。

 

一般社団法人アシタカが中和の地元で創設されたのは昨年。代表の赤木さんは地元の薪の集荷・納品を請負ながら、クロモジを使った新たな森の恵みの商品開発をされています。トンボの森づくり推進協議会の事務局も務め、地元に密着した事業活動を展開されています。

 

真庭市、株式会社トンボ、真庭観光連盟、アシタカ、地域住民、地域おこし協力隊で構成される真庭トンボの森づくり協議会では、森づくりを通した、地域との市外の参加者との交流や参加者への環境と体験学習を実施したり、市内外の小、中、高、大の児童・生徒・学生に森づくりの体験指導を行っています。まだ森からの環境商品づくりには至っていませんが、企業のイメージ向上(ソーシャルブランディング)には、大いに貢献しています。また、所属意識の高まりによる社員満足度の向上にも貢献をしています。

 

今回は、環境を軸にしたCSR活動の紹介でした。