子どもたちの人権を守るための活動をされている「CAPおかやま」の代表、山下さんにお話をお伺いしました。
CAPとは 「Child Assault Prevention(子どもへの暴力防止)」の頭文字をとったもので、対象となるのは、主に子どもたち・学校の先生・子どもたちの親御さんたち。
多様な人たちに向けて人権について考えるワークショップを行われています。
「人権って聞くと、どんなものを想像しますか?」と山下さん。
〝人種差別”〝男女差別”・・・いくつか出てくるものの、次には「うーん」と黙り込んでしまいました。
人権というと大切なことだとしながらも、私たちは「人権」というと重く捉え、考えることを放棄したくなる傾向があります。
「子どもたちに人権とは、"しなくてはいけないこと”ではなく、生きていくため"してもいいこと”と伝えるんです」
CAPのもつ、子どもたちの「安心・自信・自由の権利」。
それらは子どもたちが持つことができる「大切な権利、宝物なんだよ」だということを、幼稚園に通う小さな子どもたちから大人たちまで、伝えています。
山下さんも、CAPおかやまが始まった頃、「CAPスペシャリスト養成講座」を受けられたのが始まりだったそうです。
当初は自分自身も子育てに悩む一人で、自分自身の子育てを考えるきっかけになったと話される山下さん。
CAPの活動を始められてから10年以上がたち、時代とともに、子どもや親の持つ課題も変化があるそうです。
しかし、変わらない根本的な人権に対しての考え方を多くの人にしってもらい、大事にし、受け止めることのできる社会に近づきたいという想いを話してくださいました。
今回は一緒に取材の場にたちあった、二人の大学生(しかも男子!)が感じたCAPおかやまさんの活動のご紹介をしたいと思います。
ふたりは子どもに対してのボランティアを行っている存在ではあるものの、「子育て」とはまだ縁遠い存在。
しかしいつかは家庭を持ったり、パパになったりする存在でもあります。
今回、山下さんのお話に真剣に耳を傾けながら、それぞれの目線で切り取ってくれました。
「今回、CAPおかやまの山下さんのお話を聞かせていただきました。
ワークショップの一幕も交えつつ活動の核となる部分をお話しいただき、終わってみるとすごく心が満たされていました。
子どもには「安心の権利」があり、どこかに安心できる場所が必要という山下さんのお話。
社会の変化にあわせて、「ひとりの時間が安心」「安心できる場所はない」と答える子どもたちも増えているということ。親、友達、学校、地域など、さまざまな立場の人の関わり方がいかに重要であるかがわかります。
思い返すと、自分にとって安心できる場所は母親の存在でした。
これまで成長するなかで安心できる場所をあたえてくれていた親に感謝するとともに、将来の自分の子どもにとって、私もそういう存在でありたいと感じることができました。子どもは親の所有物ではなく、おとなと同じように愛情を必要とする意思ある人間です。子どもの話に耳を傾け、むやみに怒るのではなくほめてあげたいと思います。
子をもつ親でもなく、子どもでもない大学生であるこの時期にお話を聞くことができたのはとても有意義でした。
CAPのワークショップは子どもからおとな、すべての人に対し開かれています。
安直な表現ではあるけれど、この活動がもっと広まれば社会は良くなると素直に実感しました。」
(秦野翼 大学4年生)
「子どもとふれあう機会をもっともっと持ちたくなる。そう感じる素敵なお話でした。
CAPさんでは、子どもたちの安心、自信、自由の権利を守ることを大切な活動の柱とされており、様々なプログラムを通して、子どもたちに対する働きかけを行っています。
今回、お話を聴いて一番印象に残ったのが、虐待を受けた子どもたちが親になった時に、自分の子どもを虐待する割合がそれほど大きくないというお話です。
虐待を受けた子どもたちでも、成長する中での様々な人との出会いがきっかけとなって、自分自身の心の中に安心、自信、自由の感情を芽生えさせることができるということに、人間の強さ、温かみを感じることもできました。
周りの環境の中でも特に人の環境というのは、子どもはもちろんのこと、大人の成長にも大きく影響することを再認識しました。
また、子どもの目線になることの大切さや、子どもへの言葉の伝え方についてもお話いただきました。
自分自身、これから子どもと接する時には少し意識してみようと思います。」
( 清水 康正 大学院2年生)
▼CAPの活動はHPからもご覧になれます。ぜひご覧くださいね▼
CAPおかやま : http://www.cap-okayama.net/
NPO法人CAPセンター・JAPAN : http://www.cap-j.net/group/group_3301.html
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