原発、ハンセン病、いじめ、・・・
私たちの社会には数多くの社会問題が存在している。
それらは、私たちには関係のない世界の話なのだろうか。
どこか遠くの人たちの問題なのだろうか。
いや、決してそんなことはない。
私たちの身近なところで、
もしかしたらあなたが当事者になるかもしれない、
いや実はもうあなたも関わっているかもしれない社会問題は、
たくさん存在しているのだ。
今回取材したのは、
そんな社会問題の解決に向けての、
ワークショップイベントの企画運営を主として活動している、
岡山大学の「ティーチイン岡山」。
現在は教育学部の学生を中心に活動を展開している。
今年度は全部で4回のワークショップを実施。
第一回は参院選について。
第二回はSNSの問題について。
第三回は原発について。
第四回はハンセン病について。
私自身、同じ学生という立場として、
取材前からティーチインの活動は知っていた。
毎回レベルの高いワークショップを展開しており、
参加者の評価も高いことも。
そして同じように企画運営を行っている身として、
社会課題の解決をテーマに持ってくることの難しさは、
想像に足るところがあった。
一体どういう企画のやり方を取っているのか。
またそこにあるメンバーの想いはどういうものなのか。
純粋に聞いてみたい、という思いで取材に臨んだ。
迎えてくれたのは、
森分志学さんと、松本千明さん。
お二方とも、取材としての言葉を聞く前から、
何かの気迫が感じられる立ち居振る舞いである。
まずは「企画の立て方について」から伺った。
あれだけのクオリティーの企画を立てるのだ、
長期的に取り組むか、短期だがものすごい時間をかけるかどちらかだろう。
そんな予想は、半分当たり、半分外れることになった。
彼らが行っていることは大きく二つ、
「インプット」と「アウトプット」。
前者は自分に知識を詰め込む個人作業で、
後者はそれを元にメンバー同士で詰めていく作業だ。
前者はまちまちだが、後者にかける時間はおよそ一ヶ月。
企画の直前は毎日行うという。
時間で考えると、
一つの企画に書ける時間は100時間を超えるのだという。
やはり、そうとうな時間を要していた。
それほどの時間をかけている。
嫌になること、迷うことはないか、という質問に対して、
彼らは口をそろえて、
仲間と共に迷うことも楽しい、と答えた。
ここは非常に共感することができる。
私も活動をしていく中で、もちろん楽しいことばかりではない。
しかし、
私が目指しているもの、
私たちの団体が目指しているもの、
そこにきっとある「今より良い社会」、
そしてそんな同じ想いを持って頑張る仲間の姿。
それらの存在が私を後押ししてくれる。
逆に言うと、
"突き通す軸”と"心からの仲間”がなければ、
きっとどこかで折れてしまうのだと思う。
今回取材したお二人もまた、
それぞれの想いと目標、
団体としての想いと目標、
を明確に持っていた。
その上で、信頼できる仲間と共に切磋琢磨していた。
何よりも、
直接人と話すことが好きで
真剣に話すことが好き。
それをワークショップにどんどん反映させていきたい、と語る。
その上で、活動の展望を伺った。
地域の社会課題に取り組んでいる団体として、
もっともっと活動の場を広げ、
より多くの人に知ってもらいたい。
またそれはメンバー構成にも言えることで、
地域の人も巻き込んで、企画を考えるのも面白いかもしれないですね、
と語ってくれた。
私が取材の前に思っていたこと。
企画の立て方、メンバーの想い。
もちろんテクニカルな部分もあるだろう。
しかしそれ以上に大切なのは、
"学生が社会に入る楽しさ″を感じることなのかもしれない。
それだけ今岡山の学生は、
社会に入り、そこで自分たちにできることを模索し、活動している。
ティーチイン岡山をはじめ、様々な学生の動きにぜひ注目していただきたい。
(ソーシャルライター : 井口 陽平 )
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