ゆうあいセンターの貸事務所に入居されているM.C.S. AIDさん。
看護師や介護士の専門職の派遣をされているNPO法人で、現在要支援の認定をうけていないものの、日常や社会生活に支障がある方を対象に家事援助サービスを行われています。
そんなM.C.S. AIDさんが、ゆうあいセンターに、「高齢者に向き合う学生ボランティアさんっていないかなあ」とご相談をしてくださいました。
考えてみると該当する団体がそもそも(あまり)いない。
(若者に限らず、高齢者支援のボランティアさんは意外と少ない気がしています。)
これから絶対に必要になってくることなのに、なぜなのか?
M.C.S. AIDさんはこれを
「そもそも高齢者に関して、みんなが知らないからではないか?」
と考え、少子高齢化が進むこれからの社会について、まずは現状を知ってもらおうと「若者×お年寄りの可能性! 社会を変えるソーシャルアクション!」と題し、課題を知るために語り合うイベントを考案。ゆうあいセンターとの共同企画として開催しました。
当日はゼミのような雰囲気で開催。
「高齢者の特徴ってどんなものがあるでしょうか?
まず体の変化がありますよね。体型や姿勢が変わります。腰が曲がって、足腰に痛みを感じるようになる。
そうなると痛みをともなうため、行動範囲も狭くなるし、動かなくなるから肥満になる人も・・・。」
上記の身体的な変化の他、記憶力の低下などの内面的な変化、一人暮らしや施設に入居している高齢者は「しゃべらないことも多い」といった環境面での変化の特徴も挙げられました。
「ところで、介護保険ってどうやったら取れるか知ってますか?」
「はい。定められた方法に従って承認を受けなくちゃいけません。」
「そう。じゃあ、どうやって承認を受けるのかな? 誰がそれを申請するの?」
「本人です」
「ですね。でも、その人が認知症だったら? その人は介護保険の承認をとれると思いますか?」
「・・・・・・難しいです」
「これは一つの例ですが、介護保険を利用している高齢者は約5分の1。
介護保険の承認を受けている人はすごく少ないんです。
もちろん、中には元気老人として保険が不必要な方もいらっしゃいますが、制度を知らなかったり、制度から漏れて、充分に日常生活を送れないけれど、介護保険の承認を得ることができない方も多いんです。」
実際にではその人たちが生活するのには、どうしたらいいのか。
どうやったら守れるのか。
「福祉の網目からこぼれた人たちを知った」
「自分のおじいちゃん、おばあちゃんたちのことを考えた」
「今、ネットには情報があふれている。情報として捉えるだけではなく、どうやって問題を顕在化させるのか?を考える必要があると思った。」
「大人が楽になる仕組みを考えていった結果の歪が露わになっていると感じた。しわ寄せがきている気がしている。」
など、話を聞いた大学生たちからは様々な意見が出てきました。
「自分たちが生きる、これからの未来」だからこそ、若い人材が目を向けなくてはならない課題だということを改めて感じる時間となりました。
最後に。
「自分にできることはないのか」と思った方にソーシャルアクションのご紹介を。
M.C.S. AIDさんは、 SUNDAY TENT WORKER(http://stw.okayamas.com/)で無料相談会を定期開催されています。
SUNDAY TENT WORKERは表町中ノ町商店街のなかで開催されているイベントです。
「ちょっと話を聞くだけでも、高齢者の元気になることがある。
ぜひ興味がある方は一緒に、この場に携わってもらえたら。」
とのこと。
急に全部ができるわけではない。
自分の手ですべてを解決できるわけではない。
でも、話を聞くという一歩もあるかもしれない。
是非、多くの人に関わってもらえたらと思います。
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