ボランピオ

2017年03月号

子どもたちの居場所づくり~ザ・インタビュー「NPO法人子どもシェルターモモ」さん~

2017年03月31日 13:55 by youi_center
 「逃げ出したい!」「帰る場所がない!」「家に帰れない!」
 家族から虐待をうけ家庭に居場所がない。児童養護施設や養育家庭を出たが、仕事や生活がうまくいかなくなり、住む場所、帰る場所を失ってしまった。少年犯罪を起こし、引き受ける大人がいないためにやむを得ず少年院に送られてしまう。様々な原因により、安全に暮らせない、住む場所、帰る場所を失い安心した生活が保障されない子どもたちがいます。
 2004年、そんな子どもたちが緊急に逃げ込むためのシェルターとして「カリヨン子どもセンター」が東京に設立されました。その後、横浜や名古屋にもシェルターが設置され、その必要性は確実に広まっていきました。そして2008年、地方都市としては初めて岡山にも設立されました。それが、「NPO法人子どもシェルターモモ」さんです。

「子どもシェルターモモ」とは
 「子どもシェルターモモ」さんは、一人で生きていくことが困難な15歳から20歳までの子どもたちに安心して生活できる居場所を提供し、自立に向けた準備をしてもらうために法的支援と福祉的支援を行っています。「今すぐ助けてほしい!」という子どものための緊急避難場所の提供、児童養護施設退所後の生活を支援する自立援助事業、岡山市からの委託でアフターケア事業を運営しています。児童養護施設退所前に生活していく上で必要なことを学ぶ「退所前学び事業」も行っています。つまり、「子どもシェルターモモ」さんは、子どもの保護から自立に向けた継続的な支援を行っている団体なのです。
 シェルターや自立援助ホーム入居後は、専門職やボランティアによって子どもたちの日常生活支援が行われます。また、岡山弁護士会の協力により、子ども一人一人に「子ども担当弁護士」がついて、法律面でのバックアップを行っています。

SOSを出せる場所
「子どもシェルターモモ」にいる子どもたちのなかには、様々な原因によっておとなにたいして不信感をもっている人も少なくないそうです。おかれていた環境によって人に対する信頼感が低下してしまい、自分の殻にひきこもったり、感情が制御できず暴れてしまったりする子どもは少なくありません。職員の方々は、子どもたち一人ひとりに寄り添い、一緒に悩み、笑って、ときにはアドバイスができる関係をつくるよう心がけておられるそうです。
 また、自らの意思で親の虐待から逃れてきても、18歳からは児童相談所の管轄外となり親権が優先されるため、親元に返されてしまいます。そんな時には、「子ども担当弁護士」が仲介し、代理人や付添人となって法的支援を行います。子どもの意思を最大限に尊重し、保護するのです。こうすることで、子どもたちは法的、精神的にも保護されます。また、子どもたちがシェルターや自立援助ホームを退所した後も困ったことがあれば帰ってくることが出来る「SOS」を出す場所として存在し続けるのです。そういったSOSを出せることが自立への第一歩なのだと教えていただきました。

我々にできること
 「子どもシェルターモモ」では、毎年、ボランティアスタッフ養成講座を開催しています。全9回の講座があり、大学生は無料で参加できます。より多くの人に困難を抱えた子どもの現状を知ってもらい、そこでどういう支援ができるのかを考えるきっかけになってほしいとおっしゃっていました。
 The opposite of love is not hate, it’s indifference.(愛の反対は憎しみではない、無関心である)という言葉があります。
 愛することと憎むことは、その対象となる者に対する関心を持っていて、人間として認めているのです。一方、無関心はその存在を認めていないのです。
 今回「子どもシェルターモモ」さんにインタビューをさせていただき、私と同世代の人たちがどのような状況に置かれているのか、そこでどんな行動に出るのかを教えていただきました。私たちに何ができるのか。まずは、何事にも関心を持ち、視野を広げること、普段の生活では気がつかないことを知ろうとすることが必要であると、今回のインタビューを通して学ぶことが出来ました。お忙しいところ、インタビューにご協力いただきありがとうございました。

ノートルダム清心女子大学人間生活学部人間生活学科
社会福祉士課程3年 西坂 愛・寺田 紗貴

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