津山市の東隣に位置する勝央町。保育園児のお母さんたちが作った、幻想的な人形劇が話題になっている。
“ブラックシアター”と呼ばれる暗幕の中、全身黒づくめのメンバーに蛍光塗料を塗り、ブラックライトで照らすと、色鮮やかに美しくファンタジックな世界が展開される。
軽快な音楽に合わせ40分で6曲、子供から大人まで舞台に目はくぎ付けとなる。一番人気の演目は「となりのトトロ」。始まりと共に照明が落とされ暗闇となるため泣いていた子供も、一瞬にして笑顔を取り戻すほど人気抜群だ。
<観る者を飽きさせない工夫>
とはいえ、人気の陰にはメンバーの語り尽くせない苦労がある。
最も大変な作業は、舞台設営。少しでも光が差し込むと劇が成り立たなくなるからだ。暗幕の設置などに係る時間は、準備2時間、片付け1時間。公演時間が40分程度と考えると、その大変さが分る。
それでも毎年1曲は必ず新曲を入れたり、子供が大好きな“はたらく車”や“恐竜”といった大掛かりな仕掛けを登場させたりと、観る者を飽きさせない工夫もあり、意気込みが伝わってくる。
<結成19年目、県内外に夢を届ける>
美しく輝く雲母から命名された「ブラックシアターきらら」は今年で結成19年目となる。
公演先は幅広く、幼稚園から福祉施設まで、エリアも県内に留まらず大阪のグランヴィアホテルまでも夢を届ける。
メンバーは発足当初から変わっておらず、長く続いた秘訣は、無理せずマイペースで行てきたこと。元々は保育園の夕涼み会役員が始めた影絵が切っ掛けだった。
年間20回近く公演していたが、子供の成長につれてメンバー内に働くお母さんが増え、近年では数えるほどしか公演が出来なくなった。それがとても残念だとメンバーは語る。
<次世代担う若いメンバー募集>
現在は、今年の夏の全国高校野球選手権大会岡山県代表として甲子園に出場した「おかやま山陽高校」を訪問して、月1~2回、週2時間の指導を行い、保護者の前で発表している。
「これから次世代を担う若いメンバーを募り、更に多くの人に観ていただき、是非生のファンタジックな世界観を味わって貰いたいと思う」と代表の間庭さんは語る。
更に高みに羽ばたこうとする「ブラックシアターきらら」をこれからも応援したい。
(田中稔久)
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