世界中の人が、組織が協力し合って取り組む「人類共通の地球環境・社会課題」 SDGs(持続可能な開発目標)。
それをいかに自分事として知り、気付き、関わり、取り組むかについて考えます。
SDGsとは、2015年~2030年までの15年間で、世界中の人々が協力し合って解決しようという地球環境・社会課題です。2015年に国連で採択されたもので、その目標は17に整理されています。簡単に紹介すると
1.貧困の撲滅,2.飢餓の撲滅,3.全ての人に健康・福祉を,4.質の高い教育を皆に,5.性の平等を実現,6.安全な水とトイレの普及,7.エネルギーをクリーンに皆に,8.働きがいと経済成長の両立,9.産業と技術革新の基盤づくり,⒑人、国の不平等の撤廃,11.住み続けられるまちづくり,12.つくる責任、使う責任,13.気候変動に具体的な対策を,14.海の豊かさをまもる,15.陸の豊かさを守る,16.平和と公正を全ての人に,17.個人、組織の壁を超えて皆で協力しよう,の17です。そして、「誰も取り残さない」が合言葉です。
この目標は一つ一つ独立しているように見えても、相互に関連し合っています。
そこで私たちの生活に身近な課題として感じられる2つの事を紹介したいと思います。
◆1つは、「地球温暖化」の問題です。
今の日本人の暮らしは、電気や自動車などを使うことでCO2をたくさん発生させ、地球温暖化を進行させています。結果、天候異変による農作物の不作、大型台風やゲリラ豪雨による被害増加、水温上昇による水産物の不漁、物価上昇など生活への直接影響を生じさせています。今後この傾向は拡大すると懸念されており、今の生活を続けると、80年後には日本でも平均気温が上昇4.9℃近くまで上昇すると言われおり、米がとれない地域がだんだん広がると言われています。
世界の合意では、2100年までの気温上昇を平均で2℃未満の上昇に抑えることが約束されています。欧州では、既に生活の在り方を見直し、自然エネルギー活用を促進させ、企業活動や学校教育でもその対策が加速していますが、日本では、政府は経済優先の方針で突き進んでおり、私たちの生活の在り方の見直しを求める所までは至っていません。
自分の家庭、自分の所属する組織、日本だけの利益・利便性を追求することが、地球温暖化の原因となっています。
◆2つ目は、「食生活の在り方」の問題です。
日本人は、食糧、水を世界で一番輸入しています。今の日本人の生活では、地球が2.9個必要だと言われています。世界で一番の食糧を輸入し、食べ残しをする。その運搬には、化石燃料を沢山使うという私たち日本人のライフスタイルは世界のガンといえる暮らしです。ガン細胞としての例を挙げると、身近な水産物では絶滅寸前のマグロ、うなぎの飽食。もともと南半球に居ないサケの養殖と日本への運搬、消費です。これらの行動は、SDGsの目標の一つ「海の豊かさ」の喪失にも悪影響を与えています。
このほか、輸入を含む肉食の増加。特に牛肉は、世界のメタンガスの増加に拍車をかけ(メタンガスはCO2の10倍の温室効果で世界の温室効果ガスの5%にもなります。また、ふん尿が発する亜酸化窒素は、CO2素の300倍もの温室効果があり、紫外線により分解、オゾン層破壊の原因となると言われています)気温上昇を生むだけでなく、飼料となる農作物の輸入は、原産国の水を作物を通して奪うことと等しいと言われています。
生活から出るプラスチックごみは、日本、世界の海を汚し、環境ホルモンの生物濃縮を生みます。ポイ捨てがひいては自分の体を傷つける元になっています。
安い綿の衣料品の背景には、綿花栽培における児童労働があると言われています。衣料以外にコーヒーやチョコレートの栽培、生産においても児童労働が盛んです。これまでは、知らないまま、あるいは知らないふりをして、自分の国、自分の組織、家庭の利益だけを考えて行動してきたことが、知らなかったでは済まされない時代へ突入しています。SDGs目標「作る責任、使う責任」に対する意識が私たち今の日本人には、大きく欠如しています。
事実を知って、関心を持ち、情報を集めて行動を少しずつ変えていく。自分の生活を見直し、買い物から、行動を変えることで、世界を良くすることが出来ます。SDGsの目標実現に向け参加することはできます。自分ひとりくらいは大丈夫だろう、許されるだろうが今の世界の課題を生んでいます。
SDGsと自分のくらしの関わりについて、ゆうあいセンターでは、書籍情報としてCSRコーナーの一角にSDGsコーナーを設置しています。
自分だけの幸せは、本当の幸せではありません。自分のくらしの豊かさの陰で、誰かが不幸な暮らしを強いられないように、知って、関心を持って、行動を変えて行きましょう。
是非一度、SDGsコーナーにお越し下さい。(CSR相談員・おぎりのぼる)
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