5月。新緑の眩しい初夏の森で、子供たちの歓声があちこちで上がっている。
ここは、岡山県勝田郡勝央町の南部、JR勝間田駅から車で10分の場所にある「きのこの森」というボランティアグループが運営する「プレーパーク」である。
<子供たちが自己責任で自由に遊べる冒険の森>
「きのこの森」は平成20年に、荒廃した町有林を整備する森林ボランティアとして組織された。雑木を利用してシイタケを栽培し、町内のイベントで販売するほか、食育として植菌体験ができる活動も行っている。「プレーパーク」は、平成30年に勝央町教育委員会より委託され、子供たちの冒険心を育む遊び場として運営されている。
現在、約1haの森を毎月第2・4の日曜日に「プレーパーク」として開放。ブランコ・ハンモック・ロープなどを使って子供たちが自由に遊ぶスタイルはまさに冒険の森のよう。モットーは「自分の責任で自由に遊ぶ」。子供たちの好奇心や発想を大切にして、自由にやりたいことができる遊び場となっている。
<放置されている広大な町有林を活用する>
同グループの竹久会長は14名の会員と共に森の整備にあたっている。しかし、人手不足で、もっと若い世代の人も会員になって欲しいと切望している。それは竹久会長にさらに大きな夢があるからでもある。未だ160ha以上も放置されている町有林、それを活用し、勝央町版「花見山公園」を作り上げようというのだ。「花見山公園」とは、福島市の花卉園芸農家が私有地に多種の花卉を植え続け、開花時には山一面が花で埋まる景勝地である。所有者が公園として市民に無料開放し、春の花見シーズンには30万人以上の観光客を集める。
<勝央町版「花見山公園」へ>
「そのために地元花卉農家やグリーン環境科のある勝間田高校にも参加してもらい、新しい森林整備の体制を作り上げたい」竹久会長のヴィジョンは明確だ。
勝央町には希少種のササユリやカタクリが自生しており、町を流れる滝川にはホタルやジャコウアゲハが生息している。このような町の資源も保護・活用して「勝央町独自の『花見山公園』を作り、全国にPRしていきたい」と夢はさらに大きくなっている。
特定非営利活動法人 市民活動センターみんなでしょうえい 赤堀浩一
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