<一専業主婦がDV被害者支援へ>
「もっとDVに敏感になって欲しい」と訴える貝原己代子さん。
女性の自立支援を行うNPO法人さんかくナビの理事長である。
1970年代半ばまで一専業主婦だった。しかし孤立しているママたちのために創設された「岡山市母子クラブ」の世話人となったのを契機に、様々なグループや団体に関わる様になる。
国が男女共同参画を叫び始め、平成11年に男女共同参画社会基本法が施行されると、それまで市民への啓発活動を主としていた貝原さんは、啓発でなく解決行動が重要と考えるようになる。そして男女共同参画社会の形成にはDV被害者を救うことが急務と感じ、支援事業を始める。
国からの補助金も少なく、資金に苦慮しながら手探り状態のスタートだった。とても順調とはいえなかったが、医療関係機関、行政の相談窓口・支援機関、弁護士等と連携してDV被害者支援システムを創りあげていく。
<「よりそいホットライン事業」への参加>
そして、全国からの相談窓口として「よりそいホットライン事業」に参加する。秘密厳守の専門員が24時間365日待機している電話相談だ。
DV被害者だけに留まらず、いじめ、多重債務者、性的マイノリティー、被災者など対象者の範囲も広い。英語や中国語など9カ国語での相談にも対応している。
(フリーダイヤル 0120-279-338)
~「よりそいホットライン」HPへのリンク~
<女性の自立支援から社会的弱者への支援へ>
「よりそいホットライン」は相談者の方々の悩みを傾聴するに留まらず、制度に関する情報提供や面接相談、他機関への同行支援など、具体的な問題解決に向けた支援までを行っているのが大きな特徴である。貝原さんは、DV被害者支援で培ったノウハウとネットワーク力をこの事業に活かすことができるのではないかと考えている。
女性から社会的弱者への支援へと、貝原さんの支援の活動の広がりと挑戦は続いていく。
2018年06月27日総理大臣表彰を受けた貝原理事長の記事
( http://www.sanyonews.jp/article/739620 )
川上将誉
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