ボランピオ

vol.30(2020年11月号)

【高校生ボランティアにインタビュー】イラストを描くことが誰かの力になる 笠岡市社協発アマビエ×赤い羽根 コロナに負けない!地域おうえんプロジェクト

2020年11月25日 10:20 by youi_center
2020年11月25日 10:20 by youi_center

笠岡市社会福祉協議会が販売している赤い羽根募金のオリジナルの「アマビエ」バッジが好評だ。全部で28種類もあり、そのすべてのイラストを高校生が描いている。企画にあたり協力を呼びかけたところ予想以上に反響があったそうだ。一体何がひきつけたのか。企画者の社協スタッフを交え、協力者の一人である笠岡高校の生徒さんと先生に話を聞いてみた。

テキスト・編集:西村 洋己 (ゆうあいセンター副センター長) 
撮影:西村 洋己


 
 今回のプロジェクトの宣伝用ポスター

―まず、なぜこういう企画をしようと思ったのですか?

東内:コロナの影響で夏のボランティア体験活動もできなかったこと、外で活動できる運動部はもちろん、美術部等の文化部も作品発表の場が限られてくるのかなと考え、そうした機会とボランティア体験をコラボさせられないかと。時期的にも、赤い羽根共同募金が始まるので、そこで協力してもらえたらいいなと考えました。

藤本:もともとオリジナルグッズを作りたいねと話していて。東内さんが熱中症で休んでいた時に誰かが机にアマビエと赤い羽根のコラボバッジを置いたんです。「疫病退散」を願って(笑)それを見てこんなのがオリジナルでできたらいいよねという話からアイデアが広がりました。

― 熱中症がきっかけ(笑)

東内:ですね(笑)グッズにすることで、明るいニュースを届けられたらなと。実際に作品が届いたときには、拝む勢いでした。当初1校3作品で考えていたのですが、ふたをあけると5校から28作品も集まりました。 


 
 左から 東内さん、藤本さん(笠岡市社会福祉協議会)

 ―そんな成り立ちだったようですが、平井さんがこの企画に魅かれた理由は?

平井:最初は、大島先生から企画を教えてもらいました。

大島:私は、生徒課でボランティア部も担当なので社協さんとは関係がありまして。ちょうど頼まれたのが文化祭の時期で、美術部が集まっていたので声をかけました。

平井:「アマビエと赤い羽根」というテーマは、珍しい組み合わせだし、「赤い羽根」は困っている人を助ける活動なので、疫病退散を願う「アマビエ」とのコラボはイメージにピッタリだなと。今しか描けないテーマだと思いました。

一同:おおー!(笑)

―すごい、高校生の心をつかむ企画だったんですね。

平井:あとはアニメとか好きで、水木しげるさんの「鬼太郎」とか「妖怪」系のものにはまっていた時期もあって。「アマビエ」はコロナで有名になったけど、元々あまり知られていない存在。もっと身近に感じてもらいたいなという想いもあって、人型にして現代風にアレンジしました。

―擬人化されていて、とても目を引きますね。

平井:聞いたときにこういうのもアリかなってイメージがわいた。時間がかかるときもあるけど、今回はパッと思いつきました。

大島:元の応募用紙は紙ですが、平井さんがデータをくれたので、びっくりでした。しかも、思っていたレベルと違って(笑)



 平井さんの描いたイラスト。耳のピアスが赤い羽根。腕や靴に実際のアマビエの絵
があるなど随所に工夫が施されている。

―よく描けていますよね、周りの反応はどうでしたか?

平井:おじいちゃんが、テレビの放送を見ていて、私の絵がチラッと出たらしく、すぐに連絡がありました。とても嬉しかったです。 

―それは何よりでした。ところで、今日はボランティアの活動をテーマに取材にきていますが、最初に話を聞いて、どう思いましたか?

平井:直接相手の方の力になるようなことをしたわけではないし、正直ちょっと困惑したかな(笑)

東内:そうだよね、一般的に想像するボランティア活動とは違うよね。「イラストを描く」という参加の形は、これまでの活動メニューにはなかったので加えていきたいと思います。

―これもボランティア活動の一つですね。「自分のまちを良くするしくみ」という赤い羽根共同募金のコピーそのものです。平井さんは、自分の町について、何か気になっていることはありますか?

平井:そうですね、1年生の時に「地域学」をテーマにした授業で北木島についての探究活動を行いました。本土と離れた島での暮らしについては、高校生だけの力ではどうにもできない問題もあるけれど、考えることはできると思いました。高校生でも、知ったことを色々な人にきいてもらうことは大事だなと思います。

東内:今回は、改めて高校生の力ってすごい!という想いです。おかげで過去にない反響で、これまで接点の少ない若い世代にも関心を持ってもらえました。改めて、赤い羽根募金の活動を知ってもらう入口になったのではと思います。こんなボランティア活動ならやってみようかなという子が他にもいると思います。こちらから企画するだけではなくて、高校生と一緒に企画を考えるのもいいかなと思っています。大人にはない発想力で、知恵をもらえたら嬉しいですね。ぜひ、平井さんも参加してね(笑)。

―いいですね。今日はありがとうございました。

アマビエバッジが気になる方はこちら(福)笠岡市社会福祉協議会HP 

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