ボランピオ

2015年1月発行

【イベント報告】活動と共感を拡げ、社会を変える方法(講演会&ワールドカフェ)

2015年01月07日 10:27 by youi_center
今回の講演会とワールドカフェのひとつの目的は、
「活動や共感を拡げるきっかけやアイデアを分かち合うこと」。

ここ岡山でも、沢山の団体や個人の方が社会貢献やボランティアに関する活動をしています。
今回は、それらの活動を周りに伝え共感を呼び、
仲間(ボランティアなど)や取り組みを社会に拡げていく方法を学ぶため、

活動を全国的に展開している教育NPO「カタリバ」、
社会的な課題の解決に取り組む革新的な事業や団体を支援するNPO
ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(以下:SVP東京)」より、
岡本拓也さんと横山和毅さんにお越しいただき基調講演とワールドカフェを行いました。

 

***
【開催概要】
●日時
11月29日(土)
13:30‐15:00 基調講演 「カタリバ & SVP東京に学ぶ、活動と共感を拡げ、社会を変える方法」
15:30‐17:00 ワールドカフェ「活動と共感を拡げ、社会を変える方法」

●場所
ゆうあいセンター大会議室 

●講師
岡本 拓也さん/
NPO法人SVP東京 代表理事
(認定NPO法人カタリバ 常務理事・事務局長)

横山 和毅さん/
認定特定非営利活動法人NPOカタリバ 
カタリ場事業部サブディレクター

 

***

基調講演
 「カタリバ & SVP東京に学ぶ、活動と共感を拡げ、社会を変える方法」

―認定NPO法人カタリバ  取り組みの背景

カタリバの理念は、「生き抜く力を子供、若者へ」。
「子どもや若者の未来を生き抜く意欲や能力が生まれ育った環境によって左右されてしまう社会」に変革をと、
高校生向けキャリア学習プログラム「カタリ場」の実施や、学習支援や心のケアを行う被災地の放課後学校「コラボ・スクール」を展開しています。

―みんなが関わる教育を
キャリア教育は学校だけに一任するのではなく、地域の団体、大学生、家庭、社会全体で担うべきこと。
さらには、高校生が自ら社会課題を解決する「マイプロジェクト」という活動も拡がりを見せています。

―キャリア学習プログラム 「カタリ場」
高校生たちが主体的に動き始めるきっかけを提供する、キャリア学習プログラム。
開始当初から13年の間に、約800校で実施。今や、カタリバキャストと呼ばれる大学生のボランティアスタッフは7000名にまで拡がり、提供高校生の述べ人数は約17万人。活動や人の輪の拡がりは、どんなところに起因しているのでしょうか。

―ナナメの関係
「カタリバが大切に培ってきたのは、友達同士のような『ヨコ』の関係でも、親や教師のような『タテ』の関係でもありません。私たちが大切にしているのは、大学生のカタリバキャストとつくる『ナナメの関係』。高校生の心の内にも、『ナナメの関係』だからこそ話せることがあり、カタリバキャストはそんな自分の想いを真摯に受け止めてくれる存在。『ナナメの関係』は、子どもや若者が、将来を考えるときに様々な効果を生み出します。」
そう語るのは、認定NPO法人カタリバ2011年に大学卒業後新卒で入社され、カタリ場事業を運営する横山和毅さん。

 
カタリバキャスト(ボランティア)は、当日までに綿密な研修を受けられる仕組みがあり、
彼らは「カタリバの理念」を理解し、そうして理念が人から人へ伝わり、担い手が増えていきます。
さらにはキャスト同士で、当日の予行演習のため「コミュニケーションロールプレイ」を綿密に行い、高校の教職員の方と一緒にプログラムを組み立てます。

「ナナメの関係」を生み出す「担い手(カタリバキャスト)」が増えていく過程を大切にし、
関係性の中から共感が生まれ、その仕組みがさらなる担い手の育成につながっています。


***

―NPO法人SVP東京

SVP東京は、「個人の共感」をベースに、ソーシャルベンチャー(社会企業)や協働先に対して、「お金」「知恵」「実働」を提供し、共に成果を目指すプラットフォームです。SVP東京の仕組みは、弁護士ら本業を持った個人が毎年10万円を出資し、さらには出資した個人がチームを組み、協働先の社会企業に対して2年間「お金」「知恵」「実働」を投資し、伴走して活動するというもの。
根底にあるのは、「個人の共感」。
個々の「社会を良くしたい」という気持ちが集合し、投資や協働につながっています。

-「早く着きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け。」
「様々な社会課題が存在している今、自分自身が課題解決の『当事者』であると気付く人が増えることが重要だと思っています。社会を変えるのは、特定の一人ではないはず。課題に気が付けば、誰もが当事者になることができると考えています。怒りの感情を継続させるのは大変なことだけれど、希望や愛や勇気はきっと継続できると考えています。根柢の理念を大切にしながら、自分の隣の人から担い手を増やしていくことが、幸せな社会を生み出すのではないでしょうか。」
そう語るのは、NPO法人SVP東京と認定NPO法人カタリバにおいてNPO経営に取り組む、岡本拓也さん。

岡本さんは、「早く着きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け。」という、
アフリカに古くから伝わることわざを大切にされているそう。

身の回りの社会課題に意識を向けることができる『当事者』が増えることで、
一人では成し得なかった、様々な課題に取り組んで行くことが可能になります。

誰もが社会の担い手であるということ。自分自身の隣の人が最も近しい"社会”であること。
理念を共有しながら関係性を育むことで、少しずつでも着実に社会を変えることはできるということ。
お二人のお話から、本当に沢山の学びをいただきました。
岡本さん、横山さん、貴重なお話を本当にありがとうございました。

真剣に耳を傾けられている参加者の方々の姿が、とても印象的でした。 

************

ワールドカフェ 
「活動と共感を拡げ、社会を変える方法」


その後、講師の岡本さん、横山さんにもご参加いただきながら、
社会課題を解決するための活動の拡げ方について、
ワールドカフェ(以下WC)形式で参加者同士で語り合いました。
大きなテーマは、「ボランティアなどの社会貢献活動や、活動への共感を拡げるために必要なこととは?」。

今回のWCでは3つのテーマを中心に、参加者同士で語り合いました。
①「高校生」に対して活動と共感を拡げるには?
②「NPOの方、社会人の方」に対して活動と共感を拡げるには?
③「専門家の方」に対して活動と共感を拡げるには?

テーマ①②③それぞれについて話をするテーブルは、全体で2つずつ。
ひとつの会場の中で、3つのテーマについて同時並行して話が進められていきます。

まず参加者は6テーブルに分かれ、座ったテーブルのテーマに沿って話を進めます。
90分間で、お一人につき3テーマについて必ずお話をしていただけるよう、
15分ごとにテーブルを移動しながら、対話を深めました。

ここでは、岡本さん・横山さんを始めとする
テーブルホスト(テーブルのメンバーの意見を引き出していただく方)の皆さんが進行を担ってくださいました。



社会貢献活動に携わる意義、さらには各々の活動の拡げ方について、
テーブルを移動しながら対話を繰り返し、皆さんの「想い」が言葉になります。

   

   
     

その後、テーブルごとに今回のワールドカフェを通じた新たな気付きや、ご自身の想いを共有していただき、
テーブルごとにどのような意見が交わされたのかを、各テーブルの代表者の方から全体へお伝えいただきました。


 
******

参加者の方のアンケートより、
感想をご紹介させていただきます。

「人とのつながりが持てました。」
「カタリバの取り組みは本当にすごいと思う一方で、全ての要素はここ岡山で、きっと存在していることも改めて実感しました。」
「講演内容がすばらしかったです。そのあとふまえてアウトプットの時間があったのが非常によかったです。」
「常に当事者である、ということに強く共感を持つことができました。」

みなさんそれぞれに、色々な受け止め方をしてくださったことを大変嬉しく思います。
取り組む問題や問題への解決方法を考え、次のアクションを発見する。
それを共に考え、学ぶ。
そんな時間を皆さんと過ごすことができたのではと思います。

******

さいごに

ゆうあいセンター開設10年の節目であるこの機会に、活動の拡がりについて皆さんと一緒に考え、歩みを進めたい。そんな想いで今回の交流会を開催いたしました。

対話による人と人とのつながりの中から、活動や共感の拡がりについて考えた今回のワールドカフェ。
それぞれの視点による意見を合わせて考えていただくことで、
活動を拡げるための、多様な手法や可能性が目に見える時間となりました。
講演会へご登壇くださった岡本さま、横山さま、
ワークショップにてテーブルホストとして場づくりをしてくださった皆様、
ご来場者の皆様、本当にありがとうございました。
この場をお借りして、関わってくださった全ての皆様にゆうあいセンタースタッフ一同、心より感謝を申し上げます。

***
 
【講師紹介】
岡本 拓也(おかもと たくや)さん
NPO法人SVP東京 代表理事
(認定NPO法人カタリバ 常務理事・事務局長)

 
1977年大阪府生まれ。大学時代に1年間休学し、短期留学と海外約30ヶ国の旅を経験し、バングラデシュにてマイクロファイナンスと出会う。大学卒業後に大手監査法人にて監査やIPO支援等を担当。その後、同じPwCグループのコンサルティング会社・プライスウォーターハウスクーパース株式会社にて企業再生業務に従事。同社に在職中に出会ったNPO法人ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(以下、SVP東京)を通じて社会企業の世界に魅了され、震災直前の2011年2月に独立。同年4月よりSVP東京の代表理事に就任し、現在に至る。また、同年5月より認定NPO法人カタリバ常務理事・事務局長も兼務し、社会企業の現場と支援の両面からセクター全体の成長に尽力。
その他、内閣府「共助社会づくり人材ワーキンググループ」専門委員、中小企業庁「NPOなど新たな事業・雇用の担い手に関する研究会」委員、KIT虎ノ門大学院 客員教授、中京大学 客員講師も務める。公認会計士。



横山 和毅(よこやま まさき)さん
認定特定非営利活動法人NPOカタリバ カタリ場事業部サブディレクター
 
神奈川県横浜市出身。2011年3月専修大学文学部卒業。
学生の頃からボランティアとしてNPOカタリバに参画。
2011年4月、NPOカタリバとしては当時初の新卒職員として入社。
主に高校生向けキャリア学習プログラム「カタリ場」の企画運営・ボランティアマネジメント・渉外などを担当。
近年では行政や企業との連携事業も担当している。


【関連リンク】
◆認定NPO 法人カタリバ
http://www.katariba.or.jp/ 

  ◇高校生の心に、"火を灯す”キャリア学習プログラム 「カタリ場」 

   http://www.katariba.net/

◆NPO法人 ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(SVP東京)
http://www.svptokyo.org/ 
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