「一番重要なことは具体的に始めること、進めること」
NPO法人メンターネット 岡崎博之さんにインタビューをしました。
まず、具体的にどのような活動・事業をされているのかについてお話を伺いました。
メンターネットさんは様々な専門資格・技術を持った専門家の集まりで、
それぞれの専門知識や技術、情報を基に日本に住んでいる外国人の方々の支援をされています!
「外国人の方々には日本に住むためにビザ(在留資格)が必要で、これを取得するためには手続きが必要です。その手続きを行なったり、取得のための相談に乗ったり…、外国人の方々に安心して日本での生活を送ってもらえるように様々な支援を行なっています。」
他にも留学生や日本に移住してきた方々の就労支援や日本人と外国人の国際結婚の際の諸手続きの相談や助言等も行なわれているそうです。
特に就労支援としては、企業側にもアプローチをし、理解を深めるためのセミナーや説明会も行なわれているそうです。
ここで、メンターネットの「メンター」の意味について聞いてみました。
「メンターとは"よき支援者”という意味で、その語源はギリシャ神話・ホメロスの叙事詩「オデッセイア」に登場する、主人公オデッセウスの友人であり、彼の子・テレコーマスの良き指導者でもあった"メントール”に由来しています。」
続いて、メンターネットさんが目指されている「多文化協働社会」において、重要なことは何か、聞いてみました。
「日本には約2,100,000人、岡山県には約21,000人、岡山市には約9,500人の外国人の方々が生活されています。
外国人の方々は日本語が分からない方も多いので、あらゆる生活の場面でやさしい(わかりやすい)日本語を使うことが大切です。これが基本の基本です。」
メンターネットさんは、そのやさしい日本語を用いてホームページを作られています。また、翻訳・通訳者・日本語教師のネットワークもつくられています。
「"協働”という言葉だけでは何も始まりません。一番重要なことはあらゆる生活面での支援や関係づくりを具体的に始めること、進めることだと思います。」
次に、どのような人がこういった支援に向いているのか、
何か資格は必要なのか、聞いてみました。
「外国人の方が生活する中で生じる問題や課題は本当に多くの場面で生じてくるので、それを支えるにはもちろん専門的な知識や資格が必要になってきます。メンターネットも、行政書士、司法書士、税理士、社会保険労務士、翻訳家、日本語講師など、多様な資格をもった専門家で構成されています。このような組織は残念ながら、今のところ他にはないんです。ただ、もっとも大事なのは、"自分の仕事を通してやる”という、責任感や使命感を持っていることだと思います。」
ここで、岡崎さん自身についてもお話を聞いてみました。
まず、私達が来年高校受験をするということもあり、岡崎さんが高校を受験したときのことについて聞いてみました。
「本ばかり読んで、あまり勉強はしなかったのですが、ただ、英語だけは絶対に勉強しておいた方がいいです。英語が使えたら生涯あらゆる場面で役に立ちます。大人になってから勉強するのはなかなか難しいし遅いので、ぜひ、今始めましょう!」
岡崎さんはいつから現在のお仕事に就きたいと思われていたのでしょうか?
「昔からいろいろな仕事をしてきたのですが、23年前に行政書士の業務の中に入国管理申請業務が含まれたことがきっかけです。その後もボランティアで国際協力関係の組織に携わったり、日本語教室を始めたり…ただ、個人的には、3歳だった息子が難病にかかり、なんとか助けたいという想いをもち生活していたことがあり、そういった想いが"誰かを支援したい”という気持ちの根っこにあるのかもしれません。」
メンターネットさんの活動から、日本に住む外国人の方々を取り巻く現状等、たくさんのことを聞かせていただくことができました。
お忙しい中私達のインタビューに答えてくださった岡崎さん、本当にありがとうございました。
(インタビュアー:石本一葉、高橋晴香/中学3年生)
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