NPO マネジメントラボ 代表の山元圭太(やまもと けいた)さんをお招きして、
ファンドレイジング講座を開催しました。
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【仲間と取り組む!ファンドレイジング講座】
■当日の概要
日時:2015年9月9 日(水)
14:00 ~ 17:00(開場13:30)
場所:津山市コミュニティセンター あいあい
大ホール(岡山県津山市井口21-1)
県内のNPO法人、企業、行政、公益財団法人、町内会、教育機関などから
30名の方にお越しいただき、 テーブルごとに参加者同士で意見交換を行いながら、
「仲間と取り組むファンドレイジング」の方法を学びました。
当日の講座の内容をご紹介させていただきます。
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主なトピックス
■ファンドレイジング5W1H理論
■Withを大切に(仲間の人格面と機能面)
■NPOの5つの資金源
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■ファンドレイジング5W1H理論
Why:あなたの組織の「ミッション」は何ですか?
「社会的な成果(ソーシャルインパクト)」を追求する覚悟がありますか?
山元さんがファンドレイジング・広報・経営管理の統括を担当されていた
認定NPO法人かものはしプロジェクトの明確なミッションには、人の心に訴えるちからがあります。
What:ファンドレイジングとは、「何を」集めるのでしょうか?
お金そのものではない、仲間を集めることが重要な視点です。
仲間と共に、ミッションやビジョンを共有できること。
ファンド・レイジング(資金調達)は、
フレンド・レイジング(仲間づくり)とも言い換えられます。
共感を集めることなくして、資金調達は成し得ません。
When:いつ集めますか?
例えば年間500万円の財政基盤の団体に、
事業運営に必要とされる5000万円もの資金が突如として得られても、
適切に扱うことができない場合がほとんど、という現状があります。
資金を社会的成果に変え、ミッションを達成するための
「中長期計画」は明確になっていますか?
適切な時期を見定めるため、組織基盤強化を計画しましょう。
Who:誰に?「ターゲット」は明確ですか?
組織内で、「対象を30代男性の社会人」を例えば対象として企画を練る際、
ひとりひとりが別の人を思い浮かべながら話していることはありませんか?
それぞれが勝手に思い描いてしまい、対象がかみ合っていないため、
社会に変化をもたらす施策やファンドレイジングの計画は作ることができません。
●ご存じですか?「ペルソナマーケティング」●
「ペルソナ」と呼ばれる、データを基に作られた架空のユーザーが満足するように、
商品やサービスを設計するマーケティング手法のこと。
この「ペルソナ」には、氏名や年齢、性別、住所、職業、年収に加えて、
価値観やライフスタイル、身体的特徴にいたるまで、細かなデータが織り込まれます。
今回の講座では、ペルソナの作り方を具体的に学びました。
皆さんにとってのペルソナは、誰ですか?ターゲットを具現化して考えましょう。
Where:ターゲットにアプローチできる「マーケット」はどこですか?
How:具体的な資金調達の方法は?
「ステイクホルダーピラミッド」を活用します。
既にある人脈を生かして、応援者を細分化してアプローチします。
活動を通じて培ってきた人脈を生かし、
さらならる共感を生み出すアクションをして初めて、
ファンド(フレンド)を得る可能性が広がります。
With:今回の講座のひとつのテーマでもある、「仲間」。
皆さんは、仲間と共に良いファンドレイジングチームを作ることができていますか?
組織の個々人があらゆる手法を身に着けたとしても、
組織全体で団体のミッションや他のメンバーの意思を
共通認識することができていなければ、組織としてのファンドレイジングは成功し得ません。
ミッションの実現に向けて、メンバーの「人格面」と「機能面」のふたつが最適化されている組織こそ、
ソーシャルインパクトを生み出すことができる、というお話をいただきました。
メンバーの個性やスキルを言葉や図で「見える化」して共有すること。
そしてそれが最適化される配置、起用、チーム編成を行うこともとても大切なのですね。
ファンドレイジングという手法において、人との関わりがいかに重要であるかが示されました。
■NPOの5つの資金源
継続的な財源を作るには、「会費・寄付・事業収入・助成金・委託事業費」この5つをバランスよく組み合わせることが大切です。
最初は委託金助成金に頼った運営だとしても、
次のステップで事業収入か寄付収入、どちらを伸ばすかを選択し
戦略を立てる必要があるというお話をいただきました。
■みんなでつくる財団おかやまの石田さんより
今回の講座は、公益財団法人みんなでつくる財団おかやまの+1セミナーと合同開催。
代表理事の石田 篤史さんより、
「割り勘指定事業」についてご紹介をいただきました。
割り勘指定事業とはすなわち、「寄付を原資とした助成事業」。
NPO・市民団体等が取り組む事業内容を社会に発信し、
事業への賛同者を募ることで、寄付により資金集めを支援する仕組みです。
ここ岡山にはファンドレイジングの一歩を踏み出す仕組みがあり、
社会に変化を生み出すチャンスが開かれています。
ファンドレイジングのいろはを踏まえて、皆様ぜひご活用ください。
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ご参加のみなさまのアンケートでは、
「するべきことが明確になり、すぐに実践できそうなことがお聞きできました。」
「今現在団体の中で困っていることが分かったので、とても身に染みました。」
「5つの資源について学び、これからどのようにファンドレイジングを進めていくかが考えやすかった。」
「ペルソナ手法はやってみようと考えただけでワクワクした。」
といった嬉しいお声もいただきました。
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貴重なお話をいただいた山元様、
共催をいただいた 公益財団法人 みんなでつくる財団おかやまの皆様、
特定非営利活動法人 つやまNPO 支援センターの皆様、
そしてご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
講師の山元さんのBlog「ヤマゲンメモ」はこちらから。
NPO マネジメント・ファンドレイジング・キャリアをテーマにした言葉が綴られています。
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(ゆうあいセンター)
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