ボランピオ

昨年７月に、新見市哲西町にある「きらめき広場・哲西」にお邪魔し、施設の特徴や、施設内に事務所がある「ＮＰＯきらめき広場」の活動について

お話をお聞きしてきました。

　ＮＰＯきらめき広場は、県内各所にある「中間支援センター」の一つで、それぞれの団体・施設では、行政と地域の間に立ち様々な活動を支援しています。

発足のきっかけは、民間主導であったり行政からの声かけで設置されたりと、様々な経緯でスタートしていますが、多くは地域への支援などを主目的として

発足するケースが多いです。 

きらめき広場・哲西の外観。隣には道の駅

① まずは、施設のご紹介をお願いします。

老朽化した町役場の改築に合わせて、きめ細かなサービスの実現とまちづくりの拠点づくりを目指し、町をあげて理想とする施設の検討に入りました。
複合施設として、どのようなものがあれば良いか？を住民アンケートを取った結果、圧倒的多数で「診療所」の希望がありました。
このアンケート結果をもとに「保健医療を中心としたまちづくり」を目指し、住民が望むような施設を集めてワンストップとすることで、
複合施設『きらめき広場・哲西』ができました。（2001年10月、新しい庁舎を建築するタイミングで完成）

市営バスや福祉バスの発着場がある交通結節として、道の駅が隣接する敷地に、新見市哲西支局、診療所（内科、歯科、薬局）、図書館、
保健福祉センター、文化ホール、さらには認定こども園、ＪＡらが一体化した総合施設となっています。

② 「ＮＰＯきらめき広場」の活動について教えてください。

（１）認知症サポーター養成と認知症カフェの開設

発足当初から、健康福祉についての取り組みを積極的に行っており、サポーター講座の受講者が、認知症カフェの運営を行っています。

（２）７月４日に、４年ぶりの「健康祭り」を開催

コロナ禍で中止されていた「健康祭り」が開催されました。主催は民主導で結成した地域包括ケア推進会議ですが、行政・学校などを含む地域の１７団体で、地域全体を巻き込んだ活動となっており、その火付け役をＮＰＯきらめき広場が担っています。

（３）福祉有償運送

今は、月１５回くらいの利用となっています。
単独で公共交通機関が利用できない人が対象ですが、地域内には元気な高齢者が多いため、何にも手段が無いから動けないという人は、この地域には少ない事が、健康福祉への取り組みの高さの表れとも言えるでしょう。

（４）相談対応の取り組みについて

ＮＰＯ法人を立ち上げたいという団体に対して、アドバイスを行ったり、「ちょっとした困りごと生活支援」として、ボランティアとのマッチングなども行っています。

（５）情報発信

地域情報誌である「きらりら」を毎月発行していましたが、事業の規模縮小にともない現在は「休刊」としています。オンラインでの発行や、住民負担による紙での発刊が可能となる目途ができれば、再度発刊できることを期待しています。

（６）今まで、図書館の管理も運営事業として行っていましたが、今年度から公民館も施設内に移転したため、そちらでの管理に移行しました。

そのため、指定管理で行っていた事業の規模が大きく減少し、収益減少が課題となっています。

以上のような取り組みを行っています。

お話を伺った奥津理事長さん　深井事務局担当理事さん

③ 今後どんな課題に取り組んでいかれますか？

・特定の活動をしている団体や、活動をしている人達とは、繋がることができているが、地域を代表する地域を基盤とした組織とＮＰＯの繋がりが確立されていないので、地域コミュニティが担う分野、専門的なことを課題としている組織とつながりを作りたいです。

・地域内に自治運営組織が立ち上がりつつあるので、各自治運営組織の連携を取っていきたいし、新見公立大学の「地域全体をキャンバスに」という構想に対して応えていきたいが、学生の交通手段の確保がネックとなっています。

ＮＰＯきらめき広場さんの活動は、住民と行政やその他の施設との距離感が近く、みんなの居場所を作っているという感じがします。

住む人達は町から出なくても高度なサービスを受けられる仕組み（特に医療や福祉に関して）ができており、

「きらめき広場・哲西」は、この町への愛着を感じる場所となっています。他県からも視察に来られるほど、その充実度や先進性は注目されています。
これからも多くの住民から愛される場所として期待されています。お話しありがとうございました！