ボランピオ

vol.43(2024年1月号)

【巻頭インタビュー】新家 大器雄さん、安藤 彰英さん、久永 彰さん 「横のつながりから互助的な支援をし合える関係性へ-県北での市民活動団体同士のゆるやかなネットワーク『美作の国交流会』」

2024年01月30日 18:29 by youi_center
2024年01月30日 18:29 by youi_center

今回は、美作県民局管内で活動するボランティア・NPOの交流の場を提供・運営している「美作の国交流会」の取組みについてご紹介します。

この会はつながれる場をつくりたいと、美作県民局管内で活動する団体が自ら自主的に立ち上げました。情報交換のツールとして平素から使用しているLINEグループには半年で30人超の参加があり、交流会も定期的に行われ、毎回25名前後の参加者が集います。

 運営委員である新家さん・安藤さん・久永さんの3名の方に、立ち上げの経緯や、様々な地域課題の解決に取り組む活動団体同士がつながるポイント、交流がもたらす変化・効果等についてお聴きしました。

 

 

① まずは、「美作の国交流会」のきっかけ・設立経緯について、つながりたいという思いから、どう行動されたのか教えてください。

 

新家さん:

私は、不登校・引きこもりの当事者及び家族、支援者で構成する団体「特定非営利活動法人津山・きびの会」で活動していますが、同じ津山で児童養護施設の子どもたちや、不特定多数のニートやひきこもりの方の支援をしている「NPO法人 未来へ」さんと「県北に、いろいろな市民活動をしている団体同士が気軽に互いのことを知り、情報交換できるネットワークができたらいいですね」と常々話していました。

 しかし、同じ県北にどのような活動をされているNPO法人があるのか情報もないし知らなかったんですよね。そこで、実際にネットワークを作るには、どうしたらいいんだろう?と思い、3,4年前に津山市地域サポートセンターに相談に行きました。ちょうどセンターが市に移管されるタイミングでもあったので、早いうちに話をしたほうがよいと思いましてね。

そこで情報を得て、「岡山NPOセンター」さんの主催する「県北交流会」に参加しました。そこで出会った団体とのつながりを足掛かりに、継続して平素から交流できる会にしていきたいという思いから「美作の国交流会」が生まれました。

 

 

 

② 実際に、交流会を開催してみて、いかがでしたしょうか?

 

新家さん:

交流会を開催するにあたっては、自分たちで運営委員会を作り、定期的に話し合いの場を持ち、どのように進めていけばよいか検討しました。

第1回目をやってみましたが、比較的年齢層の高い団体の参加が多かったですね。支援者が高齢化して、人手不足もあり、なかなか活動の継続が難しいなか、人的な交流や、モノやヒトの貸し借りが気軽にできる関係が交流を通じてできればと思いました。

第2回目は何かとドタバタしてしていて、開催するまで11か月も空いてしまいましたが、何とか開催できました。(苦笑)2回目は1回目に参加して下さった人がほとんど来られませんでしたが、初めて参加するメンバーが多く新しい交流も生まれました。

 

県北で福祉活動をしている団体に幅を広げ、参加募集しましたが、その範囲をどこまでにするのか悩みましたね。岡山NPOセンターの会員で県北で活動する団体にも声をかけたいと思い、相談もしました。

一時的に人を集めるのは簡単ですが、やはり継続が難しいですね。(苦笑)岡山NPOセンターにサポートいただきながら、取り組みました。

 

 

③「美作の国交流会」の良さ、開催してよかったことについて教えてください。

 

安藤さん:

 形を敢えてキチっとしないのが良いところだと思います。メンバーを固定せず、ゆるくつながれる場だからこそ、自由に自分たちの意見や思いを伝えることが出来るのではないかと思います。

一つの目標に向かってみんなで取り組んでいくことも良いけど、連携できることは連携し、互いに強みを持ち寄るのが交流会だと思います。

人的な交流を通じ、お互いの思いや活動を知ることで、“こんなことをしていきたい”という具体的な活動につながっていくと思います。最初は、続けていけるのか不安でしたが、新家さんだから、やっていける。引っ張っていって下さる。という安心感がありますね。(笑) 細く長く続けていければ良いなと思っています。

 

新家さん:

つながりたいと思っている人たちの集まりなので、肯定的でポジティブな意見が多いですね。楽しくないと続かないので、否定せず、肯定的にお話を聴くことを意識しています。「美作の国交流会」のLINEグループも30名程度になり、交流会だけでなく、イベントのお知らせなど積極的に活用いただいているのも嬉しいです。

 

 

④今後の「美作の国交流会」の方向性、目標などあれば教えてください。

 

 新家さん:

今後継続していくためには、個人的には、会則や会費、会長などを決め、組織化していきたと思っています。できるだけ早く「美作の国交流会」としてイベントを行い、今以上の横のつながり、絆を作っていきたいと思っています。活動を通じて、仲間意識を高め、長く続けていく下地を作っていきたいですね。

どういう形にしていくか、もう少し成長、発展してくための体制づくりを調整していきたいと考えています。

 

安藤さん・久永さん

続けることも大事だし、NPOの使命感だけで取り組んでいくと、しんどくなってしまう気がするので、話し合いをするだけでなく、「こけだまづくり」など、みんなで簡単な体験をしたいという思いもあります。

第2回の時のオルゴール演奏などのような、集まったみなさんが楽しめる会にしていきたいです。

とにかく、ゆるさが大切だと思っています。みなさんが参加しやすい会にしていきたいです。

 

⑤ 最後に読者の方に一言エールをお願いします。

 

 新家さん:

  思いがあっても旗振り役がいないと実現が難しいこともありますが、思ったら行動してみることが大切だと思います。そうすれば、多少困難があっても、少しづつでも切っ掛けが出来、つながっていけると思います。皆さんの地域でも試してみてはいかがでしょう。ご一緒に頑張っていきましょう。

 

■次回「美作の国交流会」開催情報■

参加無料です。関心のある方は、ぜひご参加ください。

 日時:令和6年2月8日(木)13時30分~15時30分

 場所:津山市役所東庁舎3階302号室

 お問い合わせ:美作の国交流会運営委員 新家大器雄

 ℡:090-3631-4174/e-mail:stkikaku@gol.com

 参加申し込みフォーム:http://bit.ly/4bqs6gW

 

 

 

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