
【Volo!! Story8 インタビューについて】
私たちはノートルダム清心女子大学人間生活学部人間生活学科、社会福祉士課程の4年生です。日々様々な福祉分野の勉強に励んでいます。
今回私たちは、生活介護事業所ぬかつくるとこの中野厚志さん、子どもソーシャルワークセンターつばさの紀奈那さん、藤澤祐輔さん、岡山市ひとり親家庭福祉会の景山敦子さんにインタビューさせて頂きました。そのなかで、それぞれの立場での福祉に対する視点や活動への思いなどを知りました。この学びを高校生の前で発表したり他大学の学生に報告したりすることで、更に学びを深めていきました。
『ボランピオ』では、このインタビュー集「Volo!! Story8」よりインタビュー記事を1つずつ紹介してまいります。
記事ではインタビューで知った取り組み内容やインタビューさせて頂いた皆さんの活動に対する思い、そこから得た学びを紹介しています。
是非ご覧ください!
はじめに
私たちは大学の授業や実習を通して、利用者の寄り添い方について考えるきっかけが何度もありました。そこで、枠組みにとらわれずに多様な取り組みや関わり方をしている「ぬかつくるとこ」にインタビューに行きました。
ぬかつくるとことは?
「ぬかつくるとこ」は、障害者の生活をサポートしている事業所です。2013年に生活介護事業所から始め、2018年には「アトリエぬかごっこ*」を立ち上げました。
*マイペースにものづくりができる6~18才(小学生~高校生)を対象としたアトリエです。
活動内容
「ぬかびとさん*」の特性とアートを組み合わせたさまざまな活動を行っています。SNSで取り組みや活動の情報を日々更新し続けています。
*「ぬかつくるとこ」では、利用者を「ぬかびと」、スタッフなど関わる人を「まぜびと」と呼んでいます。
【ツミマショウヤ】 工事現場にみたて、さまざまな物を積み、積んだ物と一緒に写真を撮るイベント |
【コイケノオイケ】 コイケさんが千切った新聞で池を作り、子どもたちが遊べるフリースペース |
【なんでそんなん大賞】 身の周りにある疑問に思う行為や出来事に「なんでそんなん」と名付けてツッコミを入れ、面白く捉え直すプロジェクト |
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活動へのこだわり
個人を呼ぶときは、「ぬかびとさん」も「まぜびとさん」も「~ちゃん」や「~さん」など、その人にあった名前で呼んでいます。
目標達成型ではなく「おもしろいからやってみる」をモットーにしています。「ぬかびとさん」だけでなく、スタッフのおもしろさも取り入れたイベントを行っています。「おもしろい」を取り入れたイベントを通して、福祉に関わらず、共感してくれた沢山の方と繋がることができます。福祉の枠に捕らわれない取り組み、デザイン性の追求やスケジュールを定めないなど、柔軟な活動が行われています。
これからの展望は、「健常者と障害者の間にある境界線(壁)をぼやかす」ことです。「知らない」という壁をどうあやふやにするかです。
感想
川北:福祉とは何か、専門職としての正しいかかわり方は何なのかを考えるきっかけになりました。「ぬかびとさん」への「ちゃん」やニックネームでの名前の呼び方から、支援者と利用者の関係性は、尊敬と信頼が土台にあると改めて学びました。利用者と家族、支援者が一緒になって考えることの重要性と、法律や制度だけでなく事業所の理念などを柔軟にとらえていくことが必要であると感じました。今回、学んだことをこれからのソーシャルワークのなかで活かしていきたいです。
中西:「ぬかびとさん」の行動や性格を「おもしろさ」へと転換していく柔軟性に驚きました。常に枠にとらわれない事業展開を実施できているのは、「ぬかびとさん」との日頃からの信頼関係の構築があるからこそだと感じました。また、社会が障害特性を目立たせなくしようとする部分を、極めて強みにして繋げている点が魅力的でした。多角的な視点から物事を捉えられる社会福祉士になりたいと思います。
山口:インタビューを通して、福祉には本当に正解がないということを実感しました。特に、「なんでそんなん大賞」の取り組みが、印象に残っていています。視点を変えるだけで、感じ方や考え方がガラリと変わるので、本当に視点をどこにおくかということが大切だと思いました。また、中野さんからのメッセージに、「いろんなものを見て、触れて、体験してみる」という言葉がありました。自分のこれからの生き方にも直結する考え方だと思いました。さまざまなことにチャレンジしていきたいです。
■インタビュー記事1■
インタビュー日時:2022年12月9日 川北妃菜 中西梨奈 山口楓Volo!! Story8
発行日 2023年4月30日
発 行 ノートルダム清心女子大学
人間生活学科 社会福祉士課程
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