~岡山市ひとり親家庭福祉会のインタビューを通して~
【Volo!! Story8 インタビューについて】
私たちはノートルダム清心女子大学人間生活学部人間生活学科、社会福祉士課程の4年生です。日々様々な福祉分野の勉強に励んでいます。
今回私たちは、生活介護事業所ぬかつくるとこの中野厚志さん、子どもソーシャルワークセンターつばさの紀奈那さん、藤澤祐輔さん、岡山市ひとり親家庭福祉会の景山敦子さんにインタビューさせて頂きました。そのなかで、それぞれの立場での福祉に対する視点や活動への思いなどを知りました。この学びを高校生の前で発表したり他大学の学生に報告したりすることで、更に学びを深めていきました。
『ボランピオ』では、このインタビュー集「Volo!! Story8」よりインタビュー記事を1つずつ紹介してまいります。
記事ではインタビューで知った取り組み内容やインタビューさせて頂いた皆さんの活動に対する思い、そこから得た学びを紹介しています。
是非ご覧ください!
■はじめに
私たちは、「岡山市ひとり親家庭福祉会」にインタビューさせていただきました。岡山市ひとり親家庭福祉会は、ひとり親家庭を対象とした当事者の会です。楽しい行事の企画や気軽な相談受付、おしゃべりサロンの開催など、さまざまな活動をしています。「当事者同士の居場所」の魅力や私たちが学んだことを紹介したいと思います。
■ピアサポートとは?
「ピアサポート」という言葉を耳にしたことはありますか? これは、当事者どうしの支えあいを意味しています。当事者どうしなので、「支援する人」と「支援される人」というような隔たりを感じにくく、同じ立場を経験したからこそわかる悩みや思いを共有できる良さがあります。
岡山市ひとり親家庭福祉会もピアサポート事業を行う団体です。ひとり親当事者の方は、周囲の人に自分がひとり親で育てていることを打ち明けにくい状況にあるそうです。しかし、ピアサポートだと、そこに行けば同じ境遇の人がいます。そのため、肩の力を抜いて普段話せない話ができると言われていました。
■安心できる「ずっと」の居場所
景山さんは、「この居場所は無くさない。いま居場所として来ている人たちのためにもだし、自分たちにとっても心地よい場所であるから」とおっしゃっていました。はじめは誰もが緊張してこの居場所にやってこられるそうです。でも帰るときには、ほっとした表情になって、中には笑顔で手を振ってまた来ますと言って帰られるのだそうです。一度きりの関わりではなく、ずっと関わり続けるので、それぞれのご家族がそれぞれのペースで成長していく姿を見守れて、その成長していく姿が周囲に元気やちからを与えています。
■情報を届けるための工夫
これらの取り組みに関する情報を届けるために、主におかやま親子応援メールとチラシを使って広報をされていました。おかやま親子応援メールは、岡山市内在住のひとり親や生活困窮者を対象に、現在、約3000家庭が登録しています。家庭に役立つ支援情報を、週に1回程度、メールやLINEから配信しています。メールやLINEを使うことで、若い親世代にも情報が届きやすくなっています。
■まとめ
同じ境遇や課題を抱える人が集まっており、苦しみも喜びも、いろいろな想いを共有することができると学びました。福祉を学ぶなかで、心の深くにある悩みを打ち明ける、打ち明けてもらうことの難しさを感じていました。ピアサポートでは、悩みや経験を共有できるので、相談援助において最も重要な「真のニーズを表出する」ことが自然とできるのだと思いました。専門職による支援はどうしても一方向的なものになりやすいと思います。ピアサポートのような、支える側、支えられる側という垣根を越えた多様な支援の形を展開できるソーシャルワーカーを目指していきたいと思います。
■インタビュー記事2■
インタビュー日時:2022年12月21日 赤木夏葉 本田理紗 松坂実侑Volo!! Story8
発行日 2023年4月30日
発 行 ノートルダム清心女子大学
人間生活学科 社会福祉士課程
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