令和4年度に、ゆうあいセンター貸事務所へ新規に入居いただいた8団体について、団体の使命や活動目的をインタビュー形式で令和5年度にかけて紹介していきます。
今回は第7弾として、「言の葉舎」代表で文学企画学芸員の奥富さんに話を伺いました。
ゆうあいくん:奥富さん、こんにちは。はじめに、言の葉舎について教えてください。
奥富さん:ゆうあいくん、こんにちは。
言の葉舎は、「地域文化の向上を図る」ことを目的に2022年1月に設立しました。
長年学芸員の仕事に従事し、さまざまな場面で文学企画を立案する中、縁あって原田文学館(浅口市鴨方町六条院中)の設立、展示等に携わることになりました。
今は原田文学館を拠点に、岡山県にゆかりのある文学者や文化人らの作品や資料などを「いかにして展示すれば多くの方に足を運んでもらえるか」を考えながら企画展示を行っています。
ほかにも文化講演会や執筆活動など、「岡山の文学」を広く紹介しています。
担当するRSKラジオの文学コーナーでは、今をときめく現代作家や作家の関係者にスタジオや電話で出演いただくなど、自らも楽しみながら「文学企画学芸員」として活動しています。
ゆうあいくん:長年勤務された吉備路文学館での経験や見識、広い人脈を活かし「文学企画学芸員」としてご活躍中ですが、「文学」の魅力を教えてください。
奥富さん:文化芸術全般が好きですが、中でも文学分野は「作家の人生や世界観を共有できる」ところが好きです。一人の人物をピックアップすることで、その人の育った環境が見えてくる。その人が生きた時代の政治や経済・産業・科学・思想など、当時の社会生活も同時に見えてくる。文学は、人と社会とのつながりが密接であるという特色こそが魅力です。
きっかけは、作家でも、本でも、1行の文章だけでもいい。興味深い文学作品に出会っていただけると嬉しいです。
ゆうあいくん:「文学館って何があるの?」新人学芸員だった頃によく尋ねられ、以来、たとえ予備知識がなくても理解できるような展示を心がけてこられた奥富さん。
企画展を行っている原田文学館について詳しく教えてください。
奥富さん:原田文学館は、歌人・教育者として将来を嘱望される中、29歳で戦病死した原田進(浅口市出身 1910~1939年)を顕彰するため設立しました。彼の生きた証しを残していくことを主軸に展示を行っているほか、来館者の心に響く文学者や文化人も広く紹介しています。
場所は、原田進の両親が創設したおかやま山陽高校の近くにあり、現在、原田進と交流のあった文人を紹介する企画展を開催中です(2024年6月5日(水)まで)。
歌人としての活動は、わずか10年に満たない期間でしたが、全国各地の多くの文人たちとの交流がありました。過酷な時代背景でも、文人たちに愛され、親しまれた彼の類まれなる才能と温かい人柄、彼の生きた証しを感じていただけたら幸いです。
入館料は無料です。開館日等は、facebookで事前に確認してください。
https://www.facebook.com/haradabungakukan
ゆうあいくん:最後に、今後の活動について教えてください。
奥富さん:〝岡山を「文学」で元気にしたい〟〝岡山に「文化」の華を咲かせたい〟幅広いジャンルの文学者を紹介する機会が増えれば、岡山の文学、文化を盛り上げていくことにつながる。そう信じて、文学になじみがなくても足を運びたくなる企画を開催していきたいと思っています。さらに、文学を通じて多くの人々と出会えることを楽しみにしています。
ちなみに、原田文学館には併設してお洒落なカフェがあり、眼前の池でカモがゆったり泳ぐ姿を楽しみながら美味しいランチやスイーツを楽しめます。気分転換する気軽さで立ち寄り、さりげなく文学に触れていただければ嬉しい限りです。
ゆうあいくん:今度原田文学館に行ってみようと思いました。
本日は貴重なお話しをいただき、ありがとうございました。
【お問い合わせ先】
言の葉舎
住所:〒700-0807 岡山市北区南方2-13-1 きらめきプラザ2階
ゆうあいセンター内【事務所№1】(JR岡山駅から徒歩約12分)
原田文学館
住所:〒719-0252 浅口市鴨方町六条院中1052—4
(JR鴨方駅から徒歩20分、車で5分/駐車場:14台)
TEL: 080-1939-0939
開館日:月・火・水曜日(祝日は休館)
開館時間:11時~16時(入館は閉館30分前)
《取材・編集協力、写真提供》
言の葉舎 [インタビュイー:文学企画学芸員 奥富 紀子 氏]
《インタビュアー・テキスト》
岡山県ボランティア・NPO活動支援センター(ゆうあいセンター)
ゆうあいくん
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