ボランピオ

vol.27(2020年02月号)

【高校生ボランティアにインタビュー】 ~西大寺高校JRC部~

2020年03月13日 14:21 by youi_center
2020年03月13日 14:21 by youi_center

皆さんは、「JRC」をご存じでしょうか?
今年度の【高校生ボランティアにインタビュー】3回目は、西大寺高校JRC部のお話を伺いました。
実は数年前に「高校の部活でボランティアをするとしたら、
どんな部活があるのかな」と思ったときに、調べて目に留まったのが「JRC部」という部活動でした。
JRCは、“Junior Red Cross”の略で青少年赤十字という意味。日本赤十字社岡山県支部のホームページ(http://www.okayama.jrc.or.jp/youthにはこのようにあります。

「青少年赤十字は、子どもたちが赤十字精神に基づいて『人の命と尊厳』を大切にする人道的価値観を身につけ、自ら『気づき、考え、実行できる』ようになることを目指しています。
青少年赤十字の大きな特長は、それが学校の中に組織され、学校の先生を指導者としていることです。
幼稚園から小・中・高校まで、子どもたちの発達段階や学校や地域の実状に応じた活動を展開しています。」

 

高校の部活としてJRC部がある高校はいくつもあります。
今回は、日本赤十字社岡山県支部の杉山さんのご紹介で、杉山さんと一緒に西大寺高校のJRC部を訪れる機会をいただき、インタビューさせていただきました。

西大寺高校のJRC部で、現在活動している1年生は3人だそうです。
そのうちの2人、河内さんと石原さんがインタビューに答えて下さいました。

 ◆ ◆ ◆ 

取材・テキスト・編集: 白幡めぐみ(ゆうあいセンター事業スタッフ )
           
角南友梨(ゆうあいセンターフロアマネージャー)

 

どんなボランティアをしている?

白幡:最初に、これまでJRC部で行った活動について教えて下さい。今していること、最近したことなど。
河内・石原:はい。

① 最近活動したもので言えば台風19号の義援金を生徒から募って、赤十字に渡しました。

白幡:どうやって募金活動しましたか? 募金箱をもって朝などに?
河内・石原:募金活動は登校の時間に募金箱を持ったのと、購買に2週間募金箱を設置していました。
白幡:募金箱を持って立ったのは、JRC部の1年生?
河内・石原:JRC部の3人のほか、生徒会や3年生の元JRC部の3人に協力してもらいました。
白幡:活動はいつごろでしたか? いくらぐらい集まりましたか?
河内・石原:11月に実施しました。約5,700円集まりました。

② 使用済みコンタクトケースの回収活動。先輩方が昨年から始めた活動です。

白幡:コンタクトケースですか? どんな活動ですか?
河内・石原:コンタクトのアイシティのエコプロジェクトというのに参加しています。ふだんから教室にボックスを設置して集めていて、月に1回回収しています。集めたものをコンタクトのアイシティに送っています。

③ 学校周辺のゴミ拾いをしました。

白幡:どんな風にしているの? 火箸を使ってゴミを拾ったり?
河内・石原:はい。火箸を使って回収しています。
白幡:どのくらいゴミが集まりましたか?
河内・石原:大きいゴミ袋2つ分のゴミがありました。
白幡:きれいになりましたね! 活動は何人ぐらいでしたのですか?
河内・石原:5人~6人で活動を行いました。

白幡:なるほど。ありがとうございます。

JRC部の活動日

白幡:JRC部は、いつ活動していますか?
河内・石原:毎週月曜日と木曜日の放課後です。

白幡:普段の部活ではどんなことをしていますか?
河内・石原:今後の予定を話し合ったりしています。
白幡:どんな話し合いをしているの?
河内・石原:まず何をするかを話し合います。新しいことややってみたいことなどを挙げています。

白幡:話し合って、決まったことって何かありますか?
河内・石原:花壇に花を植える活動です。他には、心肺蘇生の検定や講習を受けたいなと思っています。先生と相談して出来そうなことについては、計画をたてます。
白幡:これまでに話をしていて、実際にできたことはありますか?
河内・石原:はい。学校周辺のゴミ拾いです。
白幡:それは良かったですね! 学校で他の人にも声をかけたりしましたか?
河内・石原:とくに呼びかけはせず部員たちだけで行いました。今までに2回活動しました。

JRCについて

白幡:もう少しJRC部について聞きたいのですが、「JRCとは」?
河内・石原:「気付き、考え、実行する」というのがあって(態度目標)
白幡:気付く。そうなんですね、どんなふうに…?
河内・石原: (説明をしてくださいました)
ゴミが落ちている→汚い→綺麗にするために自分たちでできることは何だろう→予定をたてて実行する→実施→反省会
白幡:反省会ではどんなことが出ますか?
河内・石原:ゴミ拾いの活動で言えば、1回だと完全にきれいにならないので次もやろうというようなことが出ました。

なぜJRC部に入ろうと思った?

白幡:ところで、2人はなんでJRC部に入ったか、教えてもらえますか?

河内:私は将来、人の役に立ちたいという理由で看護師になりたいと思っています。
高校のパンフレットに、募金の様子が掲載されていました。JRC部に入ったら、赤十字について学べるかなと思い入部しました。

石原:私は中学生のころからボランティア活動に興味はありましたが、1人でやるのは心細いと思っていました。高校に入ってJRC部があることを知り、楽しくボランティア活動ができそうと思い入部しました。
白幡:なんでボランティアをしてみたかったんですか?
石原:ボランティアをしてみたかった理由は、他人のために喜ばれることをしたかったからです。
白幡:高校に入る前にも、ボランティアをしたことがあったの?
石原:今までのボランティア経験については、中学生のときに夏ボラで3日間、養護老人ホームへ行きました。子どもと関わることが好きなので、今年の夏ボラは、ゆうゆうプラザで子どもたちと触れ合いました。

白幡:先ほどの話で気になったのだけど…、河内さんは、なんで人の役に立ちたいと思ったの?
河内:母から、人のために何かをしなさいとよく言われています。母はボランティア活動をしているわけではないのですが、地域の清掃活動には参加しています。その時は私も一緒に参加して活動しています。
白幡:そうですか。何でお母さんは地域の清掃活動に行くと思う?
河内:地域に住むひとりでもあるし、地域の人とも関われるから行っているんだと思います。
白幡:それで河内さんも、活動に行っているの?
河内:小さいころはあまり行っていなかったけど、地域の人に褒められるのも嬉しくて活動をしています。
白幡:やってよかったなと思うことは?
河内:きれいになった時、嬉しいのでやって良かったなと思います。

白幡:石原さんは、どうかな。人の役に立ちたいと思うのは、なんでかな?
石原:人に喜ばれることをするのが好きだからです。
白幡:ステキね。他の高校生がしないこともしているのはどうしてかな。
石原:物心がついたときから、人が笑顔になることをするのが好きだったので今も活動をしています。
白幡:なるほど…!

これまで活動してきて良かったこと

白幡:これまで活動してきて良かったなということは何ですか?
河内・石原:校内での募金活動をした時に、募金をしてくれる行動だけで嬉しかったのでやってよかったと思いました。

白幡:募金活動で呼びかける時、何て言ったんですか?
河内・石原:「よろしくお願いします。」「購買にもおいてあります。」ということを友だちにも言って周りました。素通りもされたりしたけど、立ち止まって募金してくれたのが嬉しかったです。
白幡:どのくらいの人が募金してくれたの?
河内・石原:30人に1人くらいかな、募金をしてくれました。

白幡:募金してくれた人たちに対して思ったことは?
河内・石原:自分たちと同じ思いなんだなと思いました。

白幡:これまで活動をしている中で、知り合いできました?
河内・石原:夏休みにJRC部の合宿があり、他校の生徒と交流ができました。
「リーダーシップ・トレーニング・センター」というもので、2泊3日の合宿に参加したのですが、JRC部に入っていない子たちも多く、小学生や中学生もいました。色んな人と友だちになれました。

活動の拡がりと、これからのこと

白幡:活動は、JRC部以外の人と一緒にすることはありますか?
河内・石原:募金活動は生徒会が一緒にしてくれました。
白幡:友だちに一緒にやろうよと言うことは?
河内・石原:あまりありません。自分でやりたければ向こうから来てくれると思うし、強制はしたくないと思っています。
でも、JRCに興味のある人にはぜひ入ってほしいと思っています。

白幡:どんな人たちに来てほしいですか?
河内・石原:ボランティアに関心のある人に来てほしいです。

白幡:高校を卒業してからのことを聞きたいのだけど、ボランティア活動を続けたいと思う?
河内:看護師になるための勉強をしながらJRCに関わる活動はやってみたいと思っています。
石原:大学に行って、ボランティア活動ができるサークルがあったら入ってみたいと思います。保育園で子どもたちと触れ合うボランティアをやってみたいです。

白幡:今日はたくさんのお話をありがとうございました!

 ◆ ◆ ◆ 

白幡:引き続き少しだけ、先生と杉山さんからも、お話し聞かせて下さい!

 

活動を通して生徒の変化などを感じますか?

最初に、西大寺高校でJRC部を担当されている馬場先生にお話を伺いました。

白幡:JRC部には長いのですか?
馬場:この4月から赴任してきたばかりなので、今の、高1の生徒と一緒に取り組んでいます。

白幡:活動をしていることで、生徒たちの変化を感じることはありますか?
馬場:3年生から助言をもらいながら、チラシを配ってみたり、ポスターを張り出すなど学校の内外で様々な活動をしてきました。活動を重ねると、より積極的に取り組みたいという姿勢が出てきていると思います。

白幡:さきほどの募金についてですが、学校側での流れなど教えていただけますか?
馬場:校内の募金については関係教員の中で話をし、募金箱は日赤から借りて実施しました。
今後、街頭での募金も予定しています。


続いて日本赤十字社岡山県支部の杉山さんにお話を伺いました。

白幡:杉山さん、今日はありがとうございます。杉山さんにも少し伺いたいです。活動をしているなかで、これまでに生徒さんの変化など感じることがありますか?
杉山:これまで西大寺高校JRC部とは、今の3年生とよく関わっていました。そのなかで変化として、日赤の海外交流をしたときにホームステイ先として受け入れてくれた生徒が、大人になったら海外に行って交流したいという話をしていました。また、日赤が支援している国に実際に行き、この問題を伝えて支援を増やしたいという話などもしていて、成長を感じました。
白幡:そうなんですね!

杉山:これからの予定ですが、日赤の活動で高校生協議会が集まり駅前で募金などもしています。12月に60名弱集まり、岡山駅周辺で「海外助け合い募金」がある。それに西大寺高校JRC部も参加予定です。
白幡:その活動も、また様子をお聞きしたいですね。

本日はありがとうございました。

 

写真:12月の「海外助け合い募金」の様子。
(写真提供:西大寺高校JRC部。河内さん・石原さんが活躍するJRC部の活動の様子として、馬場先生よりお写真提供いただきました。) 

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