<策定までの経緯>
岡山県社会福祉協議会では、第6次経営・活動計画「おかやまほっとプラン」(平成25年度~29年度)において、県社協及び県内市町村社協ボランティア・NPO活動支援センター機能の充実と強化を重点目標の1つに掲げ、平成25年度に「社協ボランティア・NPO活動支援センター(以下社協ボラセン)検討会」を設置した。
介護保険制度改正や生活困窮者自立支援制度をはじめとした、社会情勢の変化にともなう今日的な地域福祉課題に対応出来る社協ボラセンを目指し、市町村社協とともに行ったこの検討会は、現状を把握することから見えてきた課題整理と求められる基本機能、課題解決に向けた活動項目の整理など、社協ボラセンの現状課題と今後のあり方について意見を交わした。
その検討会の成果として、3ヵ年(平成27年度~29年度)社協ボラセンにおいて取り組むべきポイントの共有化と、社協ボラセン機能の点検・整備、充実・強化に向けた4つの活動方針及び、その事業展開を示した『岡山県における社協ボラセンアクションプラン2015』を策定した。
このプランは、住民ひとりひとりの生活・福祉ニーズをキャッチし、地域の多様な関係機関・団体と協働した総合的な支援体制のなかで課題を提起し解決していく、市民に開かれた窓口機能と個別支援型のコーディネート機能を備えた社協ボラセンを構築することで、地域住民に寄り添った社協を目指すものである。
<3ヵ年の進捗状況>
平成29年度までの3ヵ年を通じて、全体項目の4割で進捗を確認した。
全ての市町村社協で取り組んだのは、意識・啓発に向けた講座の開催であった。ボランティア活動に必要な技術と知識を身につけるための入門講座や実際にボランティア活動を体験してみることも活動を理解する方法の一つである。
また、地域のニーズに応じたプログラムの開発や生活支援サポーターの養成は6割で実施されており、ボランティアコーディネーターの配置も着実に進んでいる。地域課題の解決に向けては、ボランティアやNPO、民間企業等との連携を着実に推進していく。
一方、設置要領や運営委員会の設置は2割~3割にとどまっており余り進んでいない。社協ボラセンの位置付けや設置目的、事業内容を明文化し、組織内で共通認識を図って職員間で共有するとともに、地域住民にとって利用しやすい社協ボラセンを運営していくなど基本機能の整備に今後も取り組んでいく必要がある。
また、子どもの貧困が社会問題化する中、経済的に苦しい世帯にいる子どもを対象に社会人や大学生のボランティアらが個別指導する学習支援ボランティアの取り組みなど住民主体で地域の生活・福祉課題の解決を目指す社協としてますます推進していくべき活動と考えている。
最後に、災害ボラセンのマニュアルの整備は半数の市町で進んでいる一方、常設型の災害ボラセンは1市のみとなっており、過去の被災経験を踏まえて地域の特性に応じた活動を実践していることが分かった。
平成30年度は次期計画の策定に向けて調査結果の分析や新たな活動推進方策の内容を考えていく事となる。
今後も住民ひとりひとりの生活・福祉ニーズをキャッチし、地域の多様な関係機関・団体と協働した総合的な支援体制のなかで課題を提起し解決していく、市民に開かれた窓口機能と個別支援型のコーディネート機能を備えた社協ボラセンを構築していきたい。
読者コメント