◇夜間中学校とは◇
みなさんは「夜間中学校」を知っていますか?「定時制高校は知っていても夜間中学校はあまり聞いたことがない」という方が多いかもしれません。夜間中学校は、さまざまな理由で小学校や中学校に満足に行けなかった人、日本に住む外国人、もう一度学び直したいと考えている人が、文字の読み書きをはじめ、数学(算数)、英語、社会、理科などを学ぶ学校です。
◇参加者の感想◇
小学生からお年寄りの方まで幅広い年代の方が勉強しています。
「勉強できることが幸せ」
「学ぶことの楽しさを実感している」
「夜間中学校が安心できる私の居場所になっている」
「ここに来ることが生きがいなんよ」
◇活動に対する思い◇
「今の日本で、読み書きや計算ができない人が本当にいるんですか?」と尋ねる人もいるでしょう。しかし、実際には十分な学びができていない人がたくさんいます。岡山県内だけで、1306名の義務教育未修了者(小学校)の方がおられ、不登校などの理由で学校にほとんど行くことができなかった人は膨大な数にのぼります。このことから、当たり前と思っていることでも、あえて私たちの常識を疑ってみることが必要です。そうすることで広い視野でものごとを捉えらえることができます。
こういう取り組みは特別なことではありません。例えば、道に迷っている人に道案内するように、目の前で困っている人がいたら手を差し出すということと一緒です。自分ができることを、できる範囲で、できるだけしようという思いで活動しています。
本来、義務教育段階で満足に学ぶことができれば、夜間中学校は必要がないところです。いずれ夜間中学校が必要とされない社会を目指しています。
◇私たちにできること◇
教材の寄付
今使われている教材は、各教科の教科書・ドリル・辞書などです。教科を問わず不足しています。教材の一部は寄付で補っているため、いつでも寄付を受けつけています。
「使った教科書だけど大丈夫?」とお思いの方‼
心配しないでください!使用した教科書でも助かります!
ボランティアとして、先生や受付スタッフになる
なぜ?
→生徒さんの人数が増え90人を超えてきました。個別学習の形態をとっているので、生徒さんの数だけ先生が必要です。外国人の生徒さんも増えています。国語、数学(算数)、英語、外国人には日本語指導など、自分が教えることができると思った教科を中心に教えることが可能です。
先生できるか心配…
→教員免許を持っていなくても大丈夫。必ず教える前に、簡単な研修を受けます。教えるときの態度やNGワードなどを確認し授業を行います。
また、「学習記録ファイル」が生徒さん一人ひとりにあり、先生が変わっても引き継ぎやすい工夫がされています。
◇岡山自主夜間中学を見学して◇
生徒さんの熱心に学ぶ姿を見て、私たちも頑張らなければと思いました。そして同時に、現在学校で勉強できることが当たり前になっていますが、このような環境があることにありがたさを感じました。
小学生から80代の方まで、年代や国籍など関係なく多くの方々が学ばれています。それだけ様々なニーズがあることに気付かされました。どの年代でも、学びたいときに学べるという一見当然のように思えることですが、なかなか難しい現実があると感じました。いつでも誰でも、学ぶことができる場が必要だと強く思いました。
一般社団法人岡山に夜間中学校をつくる会 理事長の城之内さんには、お忙しい中、インタビューへのご協力ありがとうございました。私たちは、今回のインタビューを通じて得たことを、今後の生活にも活かし、私たちが関わることができるすべての人に伝えていきたいです。
ノートルダム清心女子大学 小川奈々子 齋藤友里菜
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