ボランピオ

2019年3月号

すべての人が安心して暮らせる社会をめざして ~CAPおかやま~

2019年03月29日 18:02 by youi_center



 「CAPおかやま」さんは、あらゆる暴力のない社会をめざして、CAPプログラムをはじめ、さまざまな活動を行っている団体です。今回私たちは、活動の一つである、おとなワークショップと小学校での授業に参加し、その後、代表の山下さんにインタビューをしました。
「CAPおかやま」さんについての詳細は、HPをご覧ください!!

おとなワークショップ「大切ないのち 大切なわたし~幼少期・学童期・思春期・発達に合わせた性の健康教育」

 このワークショップでは、講義や意見交換を通して、子どもの育て方や性教育の在り方について学びます。幅広い年代の方が受講していました。
 最初に私たちが受けてきた性教育について話し合いました。私たち大学生は、性教育を受けたことがあります。しかし、年配の方は性教育を受けた覚えがないと言われていました。年齢によって異なることを初めて知り驚きました。つぎに、家庭での性教育のあり方を学びます。子どもから性について尋ねられたら、「逃げない」「慌てない」「誤魔化さない」という3点が大切だと聞いた時、最初は、正直「どのように伝えるの?」「抵抗があるのでは?」と思いました。しかし、子どもにどのように伝えるのか具体的に聞くことで、真摯に向き合うことの大切さに気付きました。さらに、食事や排泄、睡眠などの生活リズムが性のコントロールにも影響を与えていることも初めて知りました。

 また、子ども向けに行う授業の模擬体験をしました。受精卵ができて生命が誕生し、赤ちゃんが生まれるまでを、手作りの教材を用い、科学的に学びます。その中で、生命が誕生した頃は、身体も脳も同じ性であり、性器の分化と脳の変化によって性別が分かれていくことを学びました。さらに、身体と脳の変化する時期がずれていることから、身体と心に違いを感じる人が現れます。これは、誰にでも起こり得ることなのです。このことを学び、多種多様なジェンダーがあることは当たり前なことで、というよりも、誰もが一人ひとりの性を持っているのだと思いました。また、赤ちゃんがこの世に生まれてくるまでの話を聞いて、「自分ってすごいんだ!」と感動しました。改めて、自分をより大切に、周りの人も大切にしようと思いました。
 私たちは、性教育を受けてきたつもりですが、知らないことが沢山ありました。まずは、私たちが性について正しく学び理解することが必要です!


<写真 手作りの教材>

小学校での授業「安心できる関係のために」

 今回は小学校6年生の授業を見学しました。この授業では、子どもたちの身の回りのことや 社会で起きている問題なども取り上げ、子どもたちに意見を挙げてもらいながら、「安心できる関係」について学びます。
 子どもたちのどんな意見に対しても、「大切なあなたの中から生まれる感覚が大事」と受け止めます。最初は緊張していた子どもたちも、受容的な雰囲気に触れることで次々に発表し、授業を楽しんでいました。まさに、「安心できる関係」を体験するのです。

 授業では、主に「安心(安心な気持ち)」と「暴力(いやな気持ち)」を共有します。「安心できる関係」のためには、子どもの「安心な気持ち」と「いやな気持ち」を感じるセンサーの働きが重要だからです。「いやな気持ち」の時は、いや!って言っても、逃げてもいい、誰かに相談することもできる。でも「いやな気持ち」を「人にぶつける」ことは暴力につながり、人を傷つけてしまいます。センサーが敏感であること、暴力を使わず自分でコントロールする方法を見つけていくことが大切です。
 また、暴力の要因の一つであるジェンダーバイアスについて理解するために、「男らしさ」「女らしさ」について考えます。「男らしさ」「女らしさ」を挙げていくと、多くの子どもが両方に当てはまっていました。ジェンダーバイアスにとらわれなくてもいいのだと実感することができました。
 このような授業を通して子どもたちに、「安心して、自信を持って、自由でいる権利が、すべての子どもにあるんだよ!」というCAPプログラムの理念を感じてもらうのです。

 私たちは、知らず知らずのうちに、自分の「いやな気持ち」を言葉や態度に表し、周りの人を傷つけてしまっているのではないでしょうか。さらに、自分では認識できていない小さな偏見や差別が、言葉や行動によって人から人へ伝わっていき、悲しい思いをしている人がいるかもしれません。この授業を通して、日常生活の中でこういった場面はなかったか、思い返してみることができました。

インタビューに答えてもらいました!
大切にしていること
 ワークショップや授業は、会場のニーズに応えることを大切にしています。会場からの意見に対して、「例えば・・・」と丁寧に掘り下げていき、一緒に考えることを心掛けています。そして、「あなたは大切な人」「気持ちを大切に」「一人でがんばらなくていいよ」「相談しよう」など、少しでも安心した日々を送るためにできることをお伝えしています。

活動に対する思い
 親自身の子どものときの経験や、自分たちができなかったこと、殴られたことで成功した体験から、自分の子どもにも、それを押し付けてしまいます。子どもだけが「いやな気持ち」を言葉にできたとしても、味方になってくれる人がいないと何も変わりません。大人にも教育が必要であり、大人が変わっていく必要があります。これからも、たくさんの大人とつながり、「安心な関係」を築くために何ができるかを考えていきたいです。

おわりに
 
「暴力はダメ」というフレーズはよく耳にします。しかし、暴力が起きないために、日頃どのようなことを心得ておくか、すぐに思いつかない人が多いでしょう。今回、尊重と対等という言葉を何度も聞きました。相手を一人の人として尊重することを心に刻み、対等でいられるようになりたいと強く思いました。そのために、今回学んだ、決めつけたような言い方になっていないか、上から目線の発言をしていないか、言動の前に考えていきたいと思います。
 今、またその先において、何か不安なことがあったり、どうすればいいのか分からなかったり、子育てにつまずいたりすることがあると思います。「いつでも、どこでも、誰でも、安心して幸せでいてほしい!!」このような活動があることや相談できる場を知っていることが、まずは、「安心」への第一歩だと実感しました。

活動に興味を持たれた方、参加したい方へ
 「すべての人が、安心して暮らせる社会をめざす」ための活動は、どなたでもできます。関心のある方は、ぜひ、ワークショップなどの活動に参加してみてください!! メンバーとしての参加は、養成講座の受講が必要ですが、受講しなくてもメンバーと一緒に活動に参加しながら、能力を培っていくこともできます。詳しくは「CAPおかやま」「CAPセンターJAPAN」のHPをご覧ください。

ノートルダム清心女子大学 宗内詩乃 野浪花純

 

 

 

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