みなさんは病気により長期入院が必要で、学校に行きたくても行けない子どもたちがいることを知っていますか?私たちはこのような子どもたちと接する機会が少なく、子どもたちがどのような思いで生活をしているのか、知らない人が多いのではないでしょうか。今回、私たちは、そういった子どもたちの学習や復学、自立を支援している「特定非営利法人ポケットサポート」の代表理事である三好さんにインタビューをしました。子どもたちや支援をする人の思いを伝え、活動をより多くの人に知ってもらえたら嬉しいです。
ポケットって?
「ポケット」とは、病気により学校に行けない、家族と過ごせない、友達と遊べないなどといった学習の空白やできる体験の制限のことです。病気といっても風邪やインフルエンザなどではなく、小児がんや心臓病などの慢性的な疾患で、長期にわたる入院が必要となります。それにより、学習の機会が少なくなるだけではなく、遠足や運動会などの行事に参加できないこともあります。そして、家族、友達と会えない寂しさを抱えています。
「ポケットサポート」の活動
学齢期の子どもたちを中心に、主に入院病棟での学習サポート、外来通院中の学習支援、自宅で療養している子どもたちの学習支援(家庭訪問、WEB学習支援)などを行っています。また、クリスマスや遠足など体験・交流するイベント、講演会も実施します。現在、岡山大学病院にて、大学生を中心に約40名のパートナーが子どもたちと関わり、活動しています。
パートナーの思い
ポケットサポートでは、子どもたちは「フレンズ」と呼ばれています。「フレンズ?友達?そんなフラットな関りでいいの?」と私たちは思いました。パートナーは、病気という暗いイメージを持たず、友達のような関係で接することを心掛けているそうです。長期入院している子どもたちは、お父さんやお母さんにわがままを言えない、治療が痛くて辞めたいが誰にも相談できないといった我慢や辛い思いをしています。パートナーは、専門職の立場ではなく、気軽に話ができる存在であること、安心して過ごせるように思いや願いを後押ししていくこと、子どもたちが笑顔になる瞬間を作ってあげることを大切にしています。
また、入院しているからといってなんでも許すことはしません。今は、困っていたら必ず手を差し伸べてくれる誰かがいますが、復学したとき社会に出れば、我慢する力や気遣う力が必要になるからです。
さらに、病気の子どもたちがインフルエンザなどの感染症にかかると命の危険を伴うことがあります。清潔・安全管理はとても大切なことです。パートナーは、少しでも風邪の症状があったり、しんどいときは頑張るのではなくしっかり休むことに決めているそうです。
ノートルダム清心女子大学人間生活学部人間生活学科
社会福祉士課程3年 内藤涼可・山地千尋
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