私たちは現在、社会福祉士を目指して大学で勉強し、手話サークルに所属しています。そこで、高齢聴覚障害者が地域でどのような生活を送っているのか、また、地域にどのようなサポートがあるのか知りたいと思いました。手話を第一言語にしている方にとって「住み慣れた地域に手話で話せる場があること」が大切だと思います。今回、この問題に取り組んでいる、NPO法人岡山聴覚障害者支援センターの「ももハウス」にインタビューに伺い、サロンに参加させていただきました!!

岡山聴覚障害者支援センターって…?

  高齢聴覚障害者が手話でコミュニケーションできるサロンを実施しています。一人暮らしの高齢聴覚障害者は、なかなか外出する機会がなく、また、一般のデイサービスを利用しても、手話での会話が難しいのが現状です。そんな現状を何とかしたいと活動がスタート。平成23年にはNPO法人を立ち上げました。会員は、事業に共感して、応援したいという人を含めて120名程度です。週二回のサロンには18~20名程度が参加しています!

 地域でいきいきと自立した生活が送れるよう地域包括支援センターなど行政とも協力、連携しながら支援を行っています。 

サロン「ももハウス」に参加しました!

 高齢者の方々は、到着すると、体温、血圧、脈拍などの健康チェックを行います。午前中は、健康体操やレクリエーションなどを楽しみます。昼食は、スタッフの皆さんの手作り!栄養バランスを考えた昼食でおいしそうです!

 午後からは、おしゃべりや手芸など、各々の時間を楽しみます。1430分におやつを食べ、終わりの会をして15時に帰ります。必要に応じて送迎もあります。みんなで役割分担しながら運営されているそうです。料金は、当日の参加費が300円、昼食代が500円です。

 手話ができないとコミュニケーションが取れないのではないかと不安でしたが、身振りや表情で楽しくコミュニケーションが取れました!

【写真】和やかな雰囲気で健康体操をしています!

活動を行ううえで大切にしていることは?

  みんなの居場所であること。NPO法人という柔軟に対応できる強みを活かしてみんなの希望や要望にできる限り向き合うことを大切にされているそうです。もちろん、手話で会話すること、そして、馴染みの地域で暮らし続けられることが大切です。

 また、情報提供に力を入れています。一つは、参加されている高齢聴覚障害者の方々への情報提供です。聞こえないということで、情報を得づらいこともあります。ももハウスでのおしゃべりやイベントなどを企画して、生活に必要な情報提供を大切にされているそうです。もう一つは、聞こえる人に対しての情報発信です。聴覚障害を持つ人たちの置かれている現状を知り、理解を深めてもらいたいと言われていました。

コミュニケーションの課題

  コミュニケーションの課題から社会参加が制限されることもあります。例えば、仕事そのものができても、コミュニケーションの難しさから仕事を断念する場合もあるそうです。

 障害者差別解消法が施行されたことにより、岡山市の各区に手話のできる職員の配置ができましたがまだまだ十分とは言えません。その場合、主な会話手段は、メモなどを利用した筆談になります。しかし、高齢者は字が見えづらかったり、メモでは感情が伝わりにくかったりします。やはり、手話での会話が必要だと言われていました。

私たちにできること

 「ここで、みんなと話すことがとても楽しい」ある高齢聴覚障害者がおっしゃられていました。その意味のとおり、スタッフや他のももハウスの参加者と冗談交じりに手話でお話しされている場面などでは、皆さんとても良い笑顔でした。

 介護保険サービスを利用する際に、手話のできる方以外とはなかなか会話を楽しむことができず、利用しづらいという問題をお聞きしました。地域で生活するにもコミュニケーションの面で難しいところがあります。聴覚障害は「目に見えない障害」です。そのため「地域に聴覚障害者がいる」という意識を持っていない人が多いのではないかと感じました。その状況の中で、ももハウスは地域に聴覚障害者がいるということを発信していく役割を担っています。高齢聴覚障害者にも手話という共通のコミュニケーションを取ることのできる場の大切さを、ももハウスという活動を通して伝えているのだと学びました。 

さいごに

  今回、ももハウスに参加し、「集いの場」として参加者の日常の一部として位置付けられているのだと分かりました。高齢聴覚障害者に限らず、地域を拠点としたサロンでは顔馴染みがいるということで参加の意欲は変わってくると思います。

 インタビューで「聞こえる人になにか配慮してほしいことはありますか?」とお聞きしました。その際に「障害者ということで、気を使いすぎないでください。聴覚障害者は口の形も参考にして会話しています。話すときにはマスクを外す、といったような小さな配慮が欲しいです」と返事をいただきました。

 手話ができないから関わることをやめたり、どう接していいか戸惑うこともあると思います。手話ができなくても、相手の表情や様子で困っていることが分かればポンポンと肩を叩いて「大丈夫ですか?」と声をかけることから始めたいと思います。

【写真】インタヴューの様子。「ご協力、ありがとうございました!!」


ノートルダム清心女子大学人間生活学部人間生活学科

社会福祉士課程3年 影山沙貴・丹原愛実・三張早紀