NPO法人 若者応援コミュニティ とりのすは、学生と地域が連帯していく活動を支援している。
「若い世代が社会と関わることで、自己肯定感を高めていける」という視点から活動は始まった。
代表の井口陽平さんは、25才。
大学受験の試験会場へ向かうバスの中、東北大震災を経験、その大学への進学をあきらめることとなった。
思い通りにはいかないというジレンマを味わう。
岡山理科大学へと進学が決まって居を移したのも束の間、その足は被災地へのボランティア活動へと向かった。
そこで味わった人と人とのつながり、「ありがとう」という言葉のあたたかさ。
これまで偏差値など数値で人を判断するようなやり方に憤りを感じてきたが、それとは違う価値観との出会いに、「これだ!」と思ったという。
社会とコミットすることで得られる、自己肯定感。
その経験が、とりのすの前身である学生時代のサークル活動へと繋がる。
サークルでは、商店街で「まちなか大学祭」を企画した。
構内ではない街角で、お笑いやライブなど学生らしいパフォーマンスを披露し、道行く人たちに味わってもらう。
大学祭は誰でも訪れて楽しむことができるのだが、意外とそのことが知られていないと感じていた。
大学祭のPRとして取り組んだ試みだったが、商店街の方からも街が明るくなったと喜びの声を聞くことができた。
相乗効果が生まれたことで、自信につながった。
就職難など厳しい現実に直面する今の若者世代だが、活動を通じて自信を取り戻し、明るくなっていく仲間の姿に、井口さん自身も勇気づけられたという。
そして、今年6月、大学卒業にともなって「若者応援コミュニティ とりのす」をNPO法人として立ち上げる。
今後、若い世代が社会に関わっていくサポートを、さらに充実させていきたいと語る。
そして、また逆の視点から、社会の側が若者に働きかけることをサポートできないかと模索しているという。
若い世代に働きかけるノウハウを企業に伝えていくコンサルティング業を展開していきたいと、夢が広がる。
(具 民和)
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