「岡山春の子どもまつり」とは?
岡山春の子どもまつりは、岡山市内の複数の大学の学生による実行委員が手作りで開催する子ども向けイベントです。
岡山県総合グラウンド内のスポーツの森広場で行われ、毎年300名程度の親子が集まります。
パズルゲームやブーメラン、さかなつりゲームなど、大学生が様々な遊びを考え、必要な道具などはすべて手作りをしています。
今年は5月27日に開催されました。
五つの大学で引き継ぐ伝統
子どもまつりは今年で47回目を迎えた伝統あるイベントです。
毎年、春と秋に1回ずつ開催されており、岡山県内の五つの大学(岡山大学・岡山理科大学・就実大学・川崎医療福祉大学・川崎医療短期大学)の児童文化系の部活・サークルがそれぞれの力を結集して実施します。
ファイルいっぱいに入った引継ぎ資料をもって、実行委員会は始まります。
五つの大学が一斉に集う日は限られているため、実行委員会では次回までに各大学でしてくる宿題が出されます。
宿題を持ち寄り、各大学から出た案について多数決による意思決定を進めることで、子どもまつりは徐々に形づくられていきます。
各々の大学内では出なかったアイデアに出会えることが、5大学合同で実施するおもしろみを生んでいるのだそうです。
反省会にお邪魔しました
イベント実施から2週間が経過したところで、岡山大学文化系サークル棟では反省会が行われていました。
ゴザを敷いただけの集会室の床面に座って行う会議。
この日は「第48回秋の子どもまつり」の第1回実行委員会も兼ねており、初めて顔を合わせるメンバーもいたようです。
初顔合わせの緊張感も漂う中、春の子どもまつり実行委員長により反省会が進められました。
メンバーにお話を聞きました
春の子どもまつりの中心は岡山大学児童文化部が務め、実行委員会も岡山大学の文化系サークル棟で行われています。倉敷市所在の川崎医療福祉大学・川崎医療短期大学に通うメンバーは、実行委員会の度に岡山大学まで向かうことになります。
「実行委員会のたびに岡山大学まで来るのは大変ではないですか?」と聞くと、『実習なども多く、時間を作るのは正直大変です。でも、それ以上にこの活動を通して子どもの笑顔にふれ合えることがうれしいんです。もう少し時間があればより良いものができるかもしれないんですけど…。』と大学3回生で引退の時期にある学生は、とても名残惜しそうに活動を振り返っていました。
児童文化系の部活・サークルということもあり、メンバーの中には教育系の学部に所属している人もいます。「大学での学びを活かせる場になっていますか?」の問いかけには『図工や体育などについて大学で学んだことは、子どもまつりのブース運営を考える時にとても活きています。小さな子どもが対象なので、安全面については先の先の先まで考えるし、本当に喜んでもらうには機転を利かせることも大切だと学びました。』との答え。学生にとっては、大学で学んだことについて実体験を通じてさらに理解を深める機会にもなっているようです。
イベント中に危険を感じたこと、想像が及んでいなかったことなどはしっかり反省し、次回にはこれらの経験を踏まえて企画を練っていくそうです。そうした歴代の実行委員の工夫や改善が積み重なって、この行事が運営されていることがそれぞれの発言や引き継がれている資料の厚みからもわかりました。
子どもまつり実行委員会のこれから
第47回目の子どもまつり実行委員長を務めた岡山大学の那須さんには、今回の子どもまつりの準備・運営にあたった感想を聞きました。
『実行委員長は、後援してくれる県や市の教育委員会、会場の岡山県総合グラウンドへの連絡、実行委員会の資料作成、各大学への連絡など、やることが非常に多いです。』
イベント開催にあたって非常に忙しくしていたのだそうです。
とても大変だった様子がひしひしと伝わってきていた中、那須くんが『でも、毎年できることに意味があると思います。』とつぶやいてくれました。
伝統を継ぐことへの重責を感じつつも、きちんとやり切ることを大切にしていたようです。
【第47回実行委員長の那須くん(左)と、次回春の子どもまつり(第49回)実行委員長を務める宮本くん(右)で継承の握手】
子どもの笑顔でオールOK
子どもまつりの伝統は、これからも続きます。
次回子どもまつり副実行委員長、牧野さんに次回への意気込みを聞いてみました。
『子どもたちも、自分たちも楽しみたいです。』
主催する大学生側もイベントに楽しんで参加したい、この思いはとても重要だと思います。
『自分たちが楽しそうにしていることが子どもたちの笑顔につながるので、楽しんで取り組みたいです。』
◆準備にかける時間を捻出し、5大学で足踏みを揃えることには毎回苦労しているようでしたが…
『大変なことも多いですが、自分たちが作り上げたもので子どもたちが楽しんでくれているのを見ると、私たちも本当に嬉しいんです。大変だったけど、やって良かったなって思います。子どもたちの笑顔が最高の癒しです。』
「子どもが好き」という思いにあふれたあたたかな大学生たち。
子どもまつりは、これからもこんな大学生に支えられ、引き継がれていきます。
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