昨年の「平成30年7月豪雨」は、岡山県を「災害が少ない町」と評していた私たちの認識を改めるには、充分すぎるものでした。倉敷市真備町をはじめ、岡山市、総社市、高梁市、矢掛町など、県下の広域で同時多発的に被害が起こり、戦後最大の災害となりました。
災害救助法が適用されたのは、21市町村。そのうち10市町で、「災害ボランティアセンター」が設置され、「何かしたい」という思いを持つボランティアと被災された方をつなぎ、支える活動が行われました。そのうちの1つである倉敷市災害ボランティアセンターでは、現在も活動が続いています。開設期間は8か月目に入り、これまでのボランティア活動者数は、7万人をこえました。これは、東日本大震災以降の災害で設置された災害ボランティアセンターでは、郡を抜いて、最大規模です。
では、「災害が少ない町」だから、備えが全くなかったのでしょうか、けしてそうではありません。災害に特化した取り組みは少なかったかもしれませんが、災害に備えるうえで、大事なのは「平時からの協働」だということを意識し、多様な協働を進めてきました。ゆうあいセンターは、岡山県からの指定管理で、岡山NPOセンターと岡山県社会福祉協議会が2者の協働で運営している、全国的には珍しい県民向けのボランティア・NPO活動支援センターであり、その10年以上続く官民の協働は、このたびの災害で設立された「災害支援ネットワークおかやま」という組織にもつながり、今も多くの支援を被災地につなげる役割を担っています。この事例は、県外からも注目を集めています。
今回の災害では、ふだんは災害支援を掲げて活動しているわけではない団体や個人が、それぞれのできることを持ち寄って、支援に駆け付け、今も多くの方が、被災された方と関わり続けています。このことは、協働を進めてきた本センターとしては、大変意義のあることだと考えています。今号では、そうした取り組みの一部ではありますが、紹介しています。ぜひ、ご覧いただき、今も復興に向けて歩みを続けている被災地に想いを寄せてください。そして、皆さんが何か活動をはじめる一つのきっかけになれば、嬉しいです。
岡山県社会福祉協議会 西村洋己
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